非エロ:提督×U-511:16-650

650 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/08(水) 22:30:54 ID:OUg1/lco
流れブッタですいません
※非エロ
ゆーちゃんとデートするだけ






「ドイツ海軍所属、潜水艦U-511です。ユーとお呼びください」
鎮守府にU-511がやってきた。
それから数日後。

「どうだユー。もう日本には慣れた?」
「ドーモ。テイトク=サン」
「アイエエエエ!?」
信じて送り出したU-511が間違ったニポンゴを教え込まれるなんて…。

「……誰に習った?」
「勿論、センダイ=サンに」
「oh…案の定」
ALAS!U-511の日本理解は川内再び改善によって研修済みなのだ!サツバツ!
そんなこんなで誤解を解く必要が生まれたある日のこと。

「えっ、じゃあアドミラルはニンジャではないの!?」
「まあ、中にはいるかもしれないけど俺の知る限りはいないよ」
「そうですか……」
なぜかしゅんとなるU-511。

「日本は思っていたより不思議な国です」
「そう……か?」

一応前よりは喋れるようになっているので川内もちゃんと教えてはいたようだが、時々謎の日本観が顔を覗かせる。
一体何を吹き込まれたのか、というより何をイメージしていたのか。
そんな事を考えている提督に、U-511がふとラジオを指しながら尋ねた。

「アドミラル。このラジオが言っているハナミ…って何ですか?」
ラジオのニュースは花見客でごった返す観光地からの中継が流れている。

「ああ、花見か。日本ではね、毎年桜が咲くとその桜の下で宴会をするんだ」
「桜が咲くのはそんなに珍しい事なの?」
「そういう訳じゃないんだがね。大昔は純粋に桜を愛でるものだったらしいけど、今じゃ『花より団子』なんて言って宴会の口実みたいになっているんだよ」
説明してみて、ふと提督は実物を見た方が早いような気がしてきた。
鎮守府の裏にも桜があった筈だ。

「折角だ。実物の桜を見に行こうか」
「うん。Danke!」



鎮守府の裏手は小高い丘になっており、頂上からは鎮守府と桜が一望できる。
「転びやすいから足元に気を付けてな」
提督に手を引かれ、U-511が後に続く。
舗装こそされてはいないものの人が歩けるような道があり5分も歩けばすぐ頂上とはいえ、山歩きに不慣れなU-511にはちょっとした冒険である。
いくつか段差をよじ登った時、不意に木の根に足を引っかけた。

「あっ!!」
「おっと」
先行する提督に抱きつくように倒れ、彼の両腕に抱きかかえられる。

「怪我は無いか?」
「びっくりした。Danke。アドミラル」
少し恥ずかしそうにそう言うと提督から離れたU-511だったが、二人の手は繋がれていた。
「もう少しだ。慣れないならこのまま行こうか」
「あの…、うん。Danke。アリガトウ……合ってる?」
にっこりと笑って頷く提督に、U-511の口元もほころんだ。

「アドミラルの手……大きい」
手を繋いだまま、また山道を歩き出す。

「さあ、着いたぞ」
それから少しして、提督が目前の景色を指して言った。
目の前には山頂の桜並木と、そこから一望できる海と鎮守府。

「おぉ……」
息をのんだまま固まっているU-511。
薄紅色の吹雪の中でそれに圧倒されていた。
「桜で嬉しくなるのも分かるだろう?」
「うん。桜、すごくきれい」
ひらりと舞った花弁が一枚、U-511の頭に舞い降りたが、彼女はそれに気付く様子もない。

「……でも、少し悲しい」
「悲しい?」
「桜散ってる。せっかくきれいに咲いたのに」
そう言って少し遠い目をする彼女に提督は何か言葉を掛けようとして、ふと思い出した。

船の頃の彼女が呂500として日本にいた時にも桜は咲いていたはずだ。
そして桜が散り終わる頃、ゼーロウ高地を突破したソ連軍はテルトウ運河に到達、ベルリン市街へと突入した。
また、それより少し前の4月15日、日本側からドイツに対し、残存するUボートを回航するよう打診したが、結局は実現しなかった。

1945年の桜が散るのとほぼ同期して、第三帝国―彼女の故郷は終わりに向かっていったのだ。



これらの逸話を彼女が知っていたかは定かではないが、もし知っていたとすれば、
桜が散るという事は彼女にとって特別な意味を持つのかもしれない。
迂闊な事は言えない。散るからこそ美しいというのは桜を愛でる上でもはや定型文ではあるが、
その言葉を彼女にぶつけるのは提督にもなんとなく躊躇われた。

「……俺より日本人だな。ユーは」
暫しの沈黙の後、提督が口を開いた。
「えっ?」
「桜が散るのを悲しいと捉えるのは『もののあわれ』という日本人独特のセンスだ」
「アドミラルは悲しくないの?」
不思議そうに振り返るU-511に提督は続ける。
「そりゃあ物悲しくも思うが、けどな、桜は何も儚く散るだけじゃない。
花はすぐに散ってしまうが、その後だれも見向きもしなくなってから葉が生い茂って実を結ぶ。儚く見えてその実しぶとくて強かな木だ」

そう言って近くの若木をぽんと触る。
「俺はそんなしぶとい桜が好きだ。……まあ、そんな愛で方をする奴は少ないだろうけどな」
再びしばし沈黙。

今度沈黙を破ったのはU-511だった。
「アリガトウ。アド…提督。ユーもしぶとい桜……好きです」
そう言ってにっこり笑ったU-511の頭に花弁がもう一枚、ひらりと舞い降りた。

「ヘイ!テートク!」
「金剛?来ていたのか」

桜の影からティーセットを持った金剛が顔を出した。
「折角の桜だからネ、たまにはお花見しながらティータイムデース!さあ、ユーも一緒に飲むネー!」
「ああどうも、恐縮です」
(また妙な所で日本人っぽくなってるな…)

金剛からティーカップを受け取った所で、不意にU-511の動きが止まる。
「ん……くちゅ!」
「オーウ!ユーは風邪ですカ?」
「花粉症か。ますます日本人になってきたな」
桜の舞う中、ささやかな花見が始まった。
U-511がさつき1号と名を変えるのは、これから数日後のことである。












653 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/08(水) 22:39:58 ID:OUg1/lco
以上スレ汚し失礼しました
ゆーちゃん→さつき1号→ろーちゃんで徐々に日本に順応していくとかそんな妄想

本当はろーちゃんの時報で提督が飲んでる第三のビールっぽい何かが実はイン尿プレーでというのを考えたけど俺には無理だった

654 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/08(水) 22:43:08 ID:Fnv2iBsw

ゆーちゃん可愛いけど、後書きで台無しだよw

655 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/09(木) 01:08:45 ID:ctJavvoM
乙です

しかしさすがにそれは人を選ぶ。後書きの没ネタ

656 名前:名無しの紳士提督[sage] 投稿日:2015/04/09(木) 06:53:06 ID:MbpCWLJE
GJ!


これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/

最終更新:2017年02月14日 01:18