提督×大鯨「ま・き・ま・き 幼妻大鯨ちゃん」15-975

艦娘は娘も艦娘になりやすそうだけど息子だったらどうなのか
孫娘にでも受け継がれるのか

バレンタイン間近なのに今更節分ネタ投下することをお許し下さい
NGワードはいつもので


「きさらぎ星人めー、出ていけー。鬼はー外!」
「いやだぁ…髪が傷んじゃう……」

子供達に豆を投げつけられた如月が余裕な雰囲気ながら悲鳴をあげる。
今日は2月3日、節分である。俺達は子供達を集めて豆まきの行事を行っていた。
今はここにいない艦娘達も神社や老人ホーム等に行っていた。
慰問という役目の他、戦いばかりの艦娘の心のケアや、
三日後の大作戦の舞台である激戦区であるトラック泊地への
日本からの救援活動の成功の為の景気付けという側面もあった。

「みんなー、あと一息よー!それーっ」
「鬼はー外!」

秘書艦であり、妻である大鯨も子供達と一緒にはしゃぎながら豆を投げていた。

「あっ、ちょっと、そこはっ、ふぁああっ!」

最初は余裕があった如月だったが、最後の方は必死で逃げていた。

「ふぅ、鬼は逃げていきましたねー。はい、豆まきは終わりです。みなさん、まいた豆はちゃんと片付けてくださいね。
 はい、箒とちり取りですよ。拾った豆は後で年齢の分だけ食べるのですよ」

走り回る子供達に大鯨は愛情溢れる口調で優しく諭した。
俺はそんな心優しい彼女をお嫁さんにできて幸せだなあと心から思ったのだった。

「如月ちゃんごめんなさい。少し熱くなっちゃいました」
「気にしなくていいわよ」
「如月、本当に鬼役ご苦労さん」
「いえいえ。でも子供達が帰っていった途端静かになりましたわね……」
「祭の後って寂しくなりますからね……」
「でも祭の間や、その直前なんかはみんなとても楽しんでるじゃないか。
 そういう楽しみがなかったら、人間はただ生きてるだけになっちゃうからな」
「そういう人々の楽しみを守るのが私達の使命ですわ」
「その通りだ如月」
「ふふふ……ところで司令官、お願いがあるんですけど…」

如月が急に色っぽい声になった。

「なんだ?」
「司令官の恵方巻、くださらないかしら?」
「は?」
「ちょっと、如月ちゃん!?」

如月の爆弾発言に場が凍りついた。

「だって私、大変でしたのよ」
「すまん、無茶な事言って…」
「だったら少しくらいは…」
「でも如月…俺の見えない範囲の事は知らないが、そういった事は言わない方がいいぞ。
 俺達の前だけで言ってるにしても何気ない時につい出てしまって、
 その結果お前が変な事に巻き込まれたらたまったものじゃないからな」
「心配してくださるの?」
「ああ」
「ふーん。でも言葉だけじゃだめよ。感謝してるなら言葉だけじゃなくて形で示さなきゃ」
「…………」
「司令官が私にいつも感謝してるっていう証を……」
「…………」
「……な~んちゃっ…」
「わかった。お前の望み通り俺の恵方巻をやるよ」
「ええっ!?」
「ちょっと!?あなた!?」

俺の返しに二人はただ驚くだけだった。
特に言い出しっぺの如月の表情は『本当にするの?』と言わんばかりな顔だった。

「恵方巻って太いわよねぇ…さあ、いくわよ!」

そう言って如月は俺の恵方巻を口に咥えた。
黒く、長く、太いものである。
如月の小さな口ではかなりキツキツだったみたいだが、
如月は少しずつだが無言で飲み込んでいった。
苦しそうな表情を我慢し、声も出さず口の中に飲み込んでいき、
じっくりと味わっているかのようだった。
やがて味がクセになったのか恍惚とした表情になっていった。
そして大きく黒く太い恵方巻を最後まで咥えた如月は白いものを少しもこぼすことなく、
喉を鳴らしながら飲み込んでいった。

「司令官ったら…ありがとう……好きよ……」

そして感謝の言葉を述べた如月だった。

「どうだ……俺の恵方巻は……?」
「とても美味しかったですわ」
「そうか………俺も食べたかったなあ……
 津発祥で名古屋名物の天むすをモチーフにした恵方巻を……
 この日の為にわざわざ奮発したのによ……」
「私達の分も買えばよかったじゃないですか。今夜はここには艦娘は私達二人と大淀さんしかいないわけですし」
「なんつーかつい昔の癖でケチってしまってな。まあお前達には多少細めの巻き寿司にしようと配慮したのもあるが」
「あまり私達を見くびらないでね……それじゃ私は大淀さんの所へ持って行くわね」
「あ、待って。さっき渡しそびれた豆も持ってって。如月ちゃんは確か14個でよかったよね」
「そうよ、ありがとう。それじゃ、あなた達の邪魔はしないから恵方巻をじっくりと味わってね大鯨ちゃん」

そう言ってウインクしながら如月は走っていった。


「如月の奴、最近また前みたいになった気がするな」
「前みたいに?」
「ああ、如月は俺が君と出会う前からの部下の艦娘の一人だからな。君と如月の付き合いよりは短いけどね。
 あの子は俺と出会った頃は意味深な発言が目立っていたからな。
 ただ俺と君が結婚前に同棲していた頃からはそういう事もなくなっていったのに……」
「もしかしたら私達の関係を心配してああ振る舞っているのかもしれませんね。
 私がお嫁さんになったからってそれにあぐらをかいていたらいけませんし」
「それは心配ないさ」

俺はかわいい子に目がない事やスケベな事は否定しないが、貞操概念も物凄く固い。
一人の女性と関係を持ち、大切なものを捧げた以上その女性を大切にしなければならないと思っている。
貞操概念が強すぎる為か他の女性の何気ない誘いですら全力で突っぱねる事もあるから
もうちょっと加減できるようにならないと普通の信頼関係すら築けないからそこら辺も気をつけないと。

「でも…もしあなたの年齢が如月ちゃんの倍も離れていなかったら……
 いえ、余計な事は考えないでおきましょう。それよりもアレ、しましょ」
「ああ」

そうだ、余計な事を考える必要はない。愛する人に愛を形で伝える。俺達は如月の言葉を思い出していた。

「それじゃ、いきます」

そう言って彼女が西南西を向きながら俺の恵方巻を咥えた。
もちろんこの『恵方巻』は比喩的な意味である。
彼女のテクは一ヶ月前と比べてそれほど上達はしていなかったが、
しばらくご無沙汰だった俺には十分過ぎる刺激を与えた。
彼女に負担をかけない為に自分でも準備していたからかすぐに出してしまいそうになった為、
俺は彼女の頭を両手で掴んでがっちりと固定した。

びゅるっ

尿道を駆け抜けるどろりとした感覚。久しぶりの快感に思わず手に力が入った。
彼女も出される事がわかっていたからか声を出さずに
口内に吐き出された白いものを一滴もこぼすことなく飲んでいった。

放出が終わった事を確認した彼女は俺の恵方巻を綺麗に掃除した。
俺の恵方巻が口の外に出された時に糸がかからないくらい綺麗に掃除されていた。
さて…ここから第二ラウンド、ある意味本番だ。
彼女の潤った蜜壷に俺の恵方巻を突っ込んだ。
激しい音がたったが声を出したわけじゃないからセーフだろう。
加減なんてせず最初から全力でいった。激しい快楽に声をあげそうになったが我慢した。
最初から全力だった為かさっき出したばかりなのにまたすぐに限界が近づいた。
もう出るっ、と言わんばかりに力強く口づけした。声を出さないようという意味も合わせて。

びゅるるっ

今度は尿道を勢いのよくかけぬ感覚。先程の濃厚なものとはまた違った快感である。
俺は想いの丈の全てを吐き出し、彼女もそれを感じながら受け止めていた。

「あったかい……ありがとうございます……」

行為が終わった後、お腹を摩りながら感謝の言葉を述べる彼女に俺の顔も自然と綻んでいた。

「私の中があなたの想いでいっぱいです…これだったら愛の結晶が実りそうです。
 早くお義父様とお義母様を安心させたいですね……」

俺も両親を早く安心させたいと思っていたが、少しの不安が俺の頭の中にあった。

「どうしましたか?」

どうやら俺の不安は顔に出ていたようだ。

「子供が産まれることは誰だって不安だと思いますよ。
 私だってちゃんと育てられるか、って思う時もありますし」
「不安というのもあるけど、それ以上に俺達のものを
 良いものも悪いものも受け継ぐだろうという思いもあるんだ。
 例えば艦娘としての力とかだ。艦娘には結婚した子達も君以外にたくさんいるけど、
 深海棲艦との戦いがあるからか子供を産んだ艦娘はまだいない。
 艦娘から産まれた子供が母親と同じか、
 そうでなくても艦娘としての力が遺伝するかどうかはわからないけど、
 もし艦娘としての力を受け継いで産まれてきた時
 その子の運命はどうなるのかってのが気になるんだ。
 おそらく子供らしい生き方をさせてあげる事が不可能に近いかもしれない。
 ましてや俺は提督だ。本来ならば公私混同してはいけない立場だから
 親として子供に接する事が出来ないかもしれない。
 君は『大鯨』の艦娘だから戦いに出す必要もなく、戦い方も最低限教えるだけでいいが、
 戦える艦娘なら戦う事を教えていかなければならない。
 下手したら子供を戦う為のマシーンにしてしまうかもしれない。
 仮に大鯨の艦娘としての力を君から遺伝されても、その運命が潜水母艦大鯨と同じ道を歩む事になり、
 君と同じく潜水母艦大鯨の波乱に満ちた道を歩ませてしまうかもしれない。
 それに俺自身のダメなものが遺伝してしまったりしたら……」
「…………色々と悩んでいるんですね。でもあまり心配ばかりしていたらいけませんよ。
 上手くいく事だって上手くいかなくなっちゃいますから。それにもし子供が産まれてきて、
 その子が過酷な運命を背負ってしまったとしてもみんなで支え合えばいいんです。
 私だって過酷な運命を背負ってきましたけど、
 お父様やお母様や周りのみんなの愛情に包まれながら育ってここまできました。
 だから艦娘の子供が過酷な運命を背負ってしまっても、みんなで支え合えばいいんです。
 この鎮守府のみんなは優しくて心が暖かい人達ばかりですから」

その言葉に部下達…大切な仲間達の笑顔が次々と浮かんできた。
彼女達ならきっと俺達や、他の艦娘が子を成しても支えてくれるだろう。

「だ・か・ら……あなたもあまり暗い顔しないでくださいね。
 あなたが暗い顔をしていたら、私まで暗い気持ちになっちゃいますよ」
「……そうだな。不安にさせてごめんな。だけどもう大丈夫だよ。
 君さえいれば遥かな道も超えていけるって信じている。だから、どんな時も守り抜くよ」
「ありがとう…ございます……」

笑顔で答えた俺の言葉にほんの少しだけど不安気味だった彼女の顔が明るくなった。
俺が落ち込んでいたら彼女も暗い気持ちになり、
彼女が暗い顔をしていたら俺まで気が滅入ってしまう。
だけど俺が笑顔でいれば彼女も心が明るくなり、
心明るくなった彼女が笑顔を見せれば俺も明るい気持ちになる。
笑う門には福来たる。昔の人はよく言ったものだ。その意味が今俺にはわかった気がする。
……さっき余計な事は考えないでおきましょうって言われたばかりなのだから
またすぐに落ち込むのだってあほらしいしな。

「それにしても今日の豆まきはとっても楽しかったですね。
 子供達も笑顔ではしゃいでいましたし、
 それを見ていたら私まで嬉しくなっちゃいました。
 私は直接戦っているわけじゃありませんけど、
 あなたや私達艦娘が守ってきたものなんだって思うと……」

今の彼女もきっと俺と同じ気持ちなのだろう。
暗い顔なんてしてみんなまで暗い気分にさせるわけにはいかない。
前向きに生きていき、心からみんなが笑いあって生きていける世界を作っていこう。
俺は彼女の笑顔にそう誓った。

―終―

+ 後書き
以上です
エロの部分や、他の艦娘との何気ない絡みよりも
設定考察じみた部分の方が多いのが悩みどころです

恋愛とかその先のことを考えたら人間設定なら特に問題ないでしょうけど
艦船転生系とかだとどんな感じになるのか微妙に気になります
人造人間系だったら戦闘員なのでそういう機能は持ってないとでもできるでしょう
まあ公式で定まった答えはないしこれからも出ないでしょうけど……

あとがきはここまでにします。それではまた


これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/

最終更新:2015年08月16日 20:44