提督×電15-497

提督×電9-394「黄金色の朝」 の前日談的なものを投下します
今回はタイトルありません(思い浮かばなかったので……)


「あの……もう動いてもいい…ですよ…」
「いや、無理はしないでくれ。まだ慣れていないはずだ。
 それにこうして繋がって抱き合っているだけでも幸せな気分なんだ」

俺は布団の中で一人の少女を抱いていた。
彼女の名は電。駆逐艦電の力を宿す艦娘である。そして俺の伴侶でもある。
つまりそういう行為を致していても何らおかしくはない。
繋がってはいたのだが俺は動こうとはしなかった。
かつての経験から、少し慎重になっていた…………


『電、16歳の誕生日おめでとう』
『ありがとう、なのです』
『これ、プレゼントだよ』
『ありがとうございます……こ…これって……』
『これは俺の気持ちなんだ。受け取って…もらえないか……』
『……待っててくれたの?ありがとう……』

電は俺の気持ちを受け取ってくれた。
俺と、秘書艦としてやってきた電が初めて出会った頃は彼女はまだ今よりも少し小さかった。
一目見た時から彼女から目を離せなかった。
その時の俺は司令官として鎮守府に着任したばかりで、同時に彼女も艦娘としての仕事は初めてだった。
互いに左も右もわからない中、大淀や明石らのサポートを受けてなんとか二人で頑張ってこれた。
頑張っているうちに艦隊が大きくなっていったが、それでも秘書艦は電だった。
俺は二人で頑張っているうちに、女として少しずつだが成長してきた電に恋をするようになった。
そして俺は意を決して電にプロポーズした。
電も俺のことを好きだったのか、俺の気持ちを受け入れてくれたのだ。
そして俺達二人は幸せになる……はずだったのだが……

『はあっ…はあっ…』
『痛い…痛いよう……』

結婚して初めて迎えた夜、俺達も結ばれた。
だがそれは体だけの繋がりだった。
俺も電も、そういうことさえも初めてであった。
俺は初めて味わう快楽に電を気遣うこともなく、ただ快楽を貪っていた。

『はあっ……はあっ……うっ!!』

そして俺はあっけなく達し、彼女の胎内に全てを吐き出した。

『ぁ……ぁ………』

吐き出し終えた後、俺は自分のやったことを後悔した。
彼女の秘部からは大量の白濁液と血が流れ出していた。
それはまるで、意にそぐわぬ蹂躙を受けたかのようだった。
本当は彼女を想いたかったのに……

『終わったの…………こんなにたくさん…………
 気持ちよかったのですね……私も嬉しいのです…………』

俺が後悔する様を見た彼女はこう言った。
それはこれ以上自分が酷い目に会いたくないという思いからか、
あるいは俺を気遣った我慢だったのか……
どちらにせよ彼女の心からの言葉ではなかったのかもしれない。
彼女は元々言葉遣いが丁寧だったのだが、仲良くなっていくうちに口調が少しずつだがくだけていった。
今の丁寧な口調は、取り繕ったものといえよう。

それ以来、俺はほんの少しだが彼女と距離を置いた。
それは傍目から見れば気付かないくらいの距離だった為、
他の艦娘達は気付かなかった。ただ一人を除いて……


『あなた、最近電のことをほったらかしじゃない?』
『そんなわけ…』
『じゃあなんで電が寂しそうな表情をしているのよ?』
『それは……』

さすがは暁型の長女だ。子供に見えて彼女はしっかりとした女性だったか。
俺は意を決して彼女に相談した。

『初めてなのに酷い事をしちゃったからまた傷付けてしまうかもしれないのが怖いのね。
 その気持ちもわからなくはないけど……
 でもね、女の子は好きな男の子に自分を必要としてもらえないことが一番傷付くのよ』
『だけどもし否定されたら…』
『大丈夫よ、あなたがただ欲望の為だけにやったわけじゃないのでしょ?
 あなたは自分がしたことを後悔している。だったら電もわかってくれるわ。
 あなたの事を一番よくわかっているのはあの子なんだもの。
 だからもう一度向き合って。もしもの時は私が何とかするから』

俺は暁の言葉を信じ、勇気づけられた。
その夜、俺は電をもう一度誘った。彼女は少し怯えながらも俺を受け入れてくれた。
今度は酷いようにしないからと、俺はじっくりと彼女を慣らしていき、
挿入してもすぐには動かず、彼女が俺に慣れるまでじっとしていたのだった……

「ん……」

俺は目が覚めた。どうやら今までのことを夢で見ていたんだ。
外は明るくなってきていた。
朝の薄い陽の光に照らされた彼女の寝顔はとても安心しきっているようで
まるで天使みたいな安らかな寝顔だった。
ふと時計を見ると6時前だった。

「電…起きて」
「ん……」

俺と繋がったまま抱きしめられて眠っていた天使がその瞼を開けた。

「……はわわわわ!寝ちゃったみたい、ごめんなさい……」
「いや、いいよ。こっちこそ寝てしまって」
「いえ……あなたの寝顔、とっても可愛かったな……」

どうやら俺が先に眠ってしまったらしい。
そんなことを考えながら俺は下腹部の感触に気を取られた。
電に挿入されていた俺のちんちんは固くなっていた。

「電……動いていいか」
「……うん……」
「優しくするから……」

俺は彼女を傷付けないよう腰をゆっくりと動かした。
慣れていたのか、初めての時とは感触が違ったけど、
彼女に包まれているという満足感が俺に幸福感を与えてくれた。

「もっと……動いて……いいよ……」

彼女の要求に俺は腰の動きを早めた。彼女を傷付けないよう気を遣いながら。
そして俺はもうすぐ射精してしまいそうな感覚に襲われた。

「電…ごめん、もう出すよ……」
「いいよ…来て……!」

彼女の許しを得た俺はちんちんを彼女の奥深くに押し込んだ。

ビュルルッ!!ビュルッ!ビュルルルッ!

俺は再び彼女の体内に吐き出していた。

「はぁ……ふぅ……はぁ……ごめん、君よりも早くイッちゃって……」
「大丈夫、あなたの暖かさが私を外からも中からも暖めてくれて……」

彼女の言葉に遠慮はなかった。彼女の偽らざる本心なのだろう。
そんな彼女を見て俺の顔から笑みがこぼれた。

「よかった……あなたの顔から暗さが消えて……」

俺、そんなに暗い顔をしていたのだろうか?どうやら彼女に心配をかけてしまっていたらしい。
だけどもう彼女に心配はかけはしない。彼女の気持ちが俺に伝わったからだ。
俺はもう迷ったりはしない。彼女を心でも体でもその証を見せながら愛する。
そう決意をして俺は電に口付けをした。

―終―

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最終更新:2014年12月26日 21:31