「提督。お前、ちょっと……ウザい」
摩耶は苛立ったように目つきを鋭くして、提督を見上げると、そんなことを言ってくる。
その口の悪さも、長い付き合いのある提督にとっては慣れ親しんだものではあるのだが、やはり上官として一言言わずにはいられない。
布団に横たわる摩耶をじっと見下ろして、提督は小さく首を振った。
「ひどいな。どうしてそんなこと言うんだよ、摩耶?」
「──あたしが帰投するなり、お前が押し倒してくるからだろうがッ!!」
そう、ここは司令室。
秘書艦である摩耶は、帰投するとまず司令室に寄らなければならない。戦闘の報告のため──なのだが、提督にとっては少々事情が違う。
特に、彼女が中破以上の損傷を負って帰ってきた時などは。
「だって摩耶、こんなにボロボロになって帰ってきて! すっかり装備がズタズタで、大事なところが丸見えじゃないか!
絶妙な切れ込みで強調された腋といい、破れたスカートから覗く白い太ももといい、これはたまらない!
何より、スカートの下が見えそうで見えない、男の視線を釘付けにするこのチラリズム! 押し倒さずにはいられないだろう?」
「それがウザいって言ってんだろうが!? 早くどけよ、色ボケ提督ッ!」
「はいはい暴れない。どうせ中破状態じゃ力も半減してるんだから、抵抗するだけ無駄だぞ?」
戦場では充実した対空装備を振り回して大暴れする摩耶も、今は簡単に組み敷かれてしまう一人の女の子だ。
ちなみに、司令室に布団が敷いてある理由については察していただきたい。いつものことだ。
「だから、さっさと入渠させろよ! こんなところで遊んでないで……」
「ドックは赤城と加賀が使ってるよ。あと八時間だったかな? 二人の修理が終わるまで」
丸見えになった腋を、つーっと指でなぞってやると、摩耶は「ふあぁっ!?」と悲鳴をあげて身を反らせた。
脱力した隙を見計らって、提督は摩耶の乳房を鷲掴みにする。
「や……ぁ、やめろっ、このバカ提督……」
「やめない。摩耶のおっぱい、服の上からでも抜群に触り心地いいし。このボリューム感、さすがは高雄型だよなぁ」
「んっ……も、揉むなぁ……どうせ、アネキ達に比べれば、あたしの胸なんか大したことないって思ってんだろ……」
「そんなこと言ったら他の艦娘が怒るぞ? これだけのものを持ってるっていうのに」
破れた服を引っ剥がすと、たゆん、と豊かな双丘が露わになった。下着を着けないのは高雄型の共通事項らしい。
ほんのり桜色に染まった瑞々しい乳房は、指や手のひらで押しこむたびに確かな弾力を返してくる。
跳ねっ返りな当人の性格を反映しているわけではあるまいが、この弾力から形成された膨らみの美しさは他の姉妹以上だと、提督は密かに思っていた。
「は、ぅぅ……っ、い、いつまで揉んでんだよ……クソがぁ……」
「女の子がクソとか言わない」
「うるさい……どうせ、これが目的で、あたしがこんなになるまでコキ使ってんだろ……」
「まさか。純粋な意味で、摩耶は戦力の要だと思ってるよ。航空機バンバン落としてくれるしな。さすがは対空番長というか」
「誰が番長だっ! ……ひにゃあっ!?」
乳首を強めに摘んでやると、摩耶は猫みたいな声をあげて身をよじった。
その様が可愛らしくて、くにくにと強弱をつけて乳首を集中攻撃する。あっ、あっ、と途切れ途切れに嬌声が漏れた。
「摩耶って、痛みには慣れてるけど、快感には弱いよな。そこがまた可愛いというか」
「か、可愛いとか、言うなぁ……変態提督っ……」
「変態……ねえ」
むくれてそっぽを向く摩耶の様子を、また微笑ましく思いながら、彼女からは見えないように手を下の方へと滑らせる。
太ももの内側に指を這わせて、そのまま股間までするりと一撫でした。
声にならない声が摩耶の口から漏れる。
指先に熱い潤みを感じた。既に、内股を伝い落ちるほど、摩耶のそれは溢れ出している。
「あっ! あぁっ、ふ、ゃああ……っ、ま、待……っ、ていと、く……!」
「変態提督に弄られて、こんなになってるのはどこの誰だ? ええ、変態艦娘の摩耶さん?」
「ぶ、ぶっ殺されてえかっ……おま、え、あぁぁっ! やだ、ダメっ、そこはやめろ、っ、ふあぁぁぁっ!!」
とろとろの膣内に二本の指を抜き差ししながら、同時に親指の腹で陰核をこね回すと、摩耶の声のトーンが急激に高くなった。
その刺激を続けると、数秒も経たないうちに摩耶の体は痙攣を始め、ほどなく、一際高い嬌声とともに果てた。
「ぁ……ぅ、う……」
布団に身を投げ出して荒い呼吸を繰り返す摩耶は、いつもの勝ち気で姉御肌な彼女とは、まるで別人のようだ。
提督の手首から先を、余すところなく濡らすほどの愛液。もう十分すぎるほど、準備は整っているのだろう。
……こちらとしても、もう我慢の限界だ。
制服を脱ぎ捨て、いきりたった肉棒を突き立てんと、摩耶の上に覆い被さ……ろうと、した。
──次の瞬間、世界が回転していた。
飛び起きた摩耶が、そのままの勢いで押し倒してきたのだ。先ほどとは逆に、摩耶に見下ろされる形となってしまう。
「お前……あたしを怒らせちまったなぁ……?」
幾分低い声で告げた摩耶の目は、笑っていなかった。
やばい。殺られる。
命の危険を感じた、が──反撃は、思わぬ形でやってきた。
「摩耶様の攻撃だぜっ……ほら、提督……こうしてやると、気持ちいいんだろ?」
すべすべした手袋越しに、摩耶の手が提督のモノを包み込んでいた。
竿全体を緩く上下にしごきながら、牽制するように不敵な笑みで提督を見下ろしてくる。
「いつまでも、やられっぱなしだと思うなよ……提督だって、恥ずかしい目に遭わせてやる。ちゅ。れる……」
「う、っお……」
「ふふん、変な声出てるぜ? あ、こっちも濡れてきた……あーあ、体に力入んねえみたいだな?」
桜色の舌が提督の胸板を這う。と同時に、竿を上下に扱く動きは、だんだん滑らかになっていく。
摩耶の責め方は大胆だった。滲んだ先走りを全体に塗りたくり、クチュクチュと水音が立つように激しく扱いてくる。
さらに反対の手で睾丸を包まれ、優しさを感じるタッチで転がされると、痺れるような快感が体の芯を揺さぶった。
「くっ……摩耶……っ」
「わかってるって。デリケートなところだから、やさしーく扱ってやってるだろ?
……あ、ビクってした。これって、もう出そうだってことだよな?」
摩耶は優越感に満ちた表情でこちらを見下ろすと、這うようにして体を下げていく。
そして、今にもはち切れそうなペニスを、ぱっくりと口に含んでしまった。
「んっ、いつれも……らひて、いーぞ……
ちゅっ、じゅるっ、ぢゅっじゅぷっ! んんじゅるるるっ!!」
「ぐ……っ、摩耶、ぁ、だめだ……っ!」
熱い口腔にねっとりと包まれる快感は、筆舌に尽くしがたい。
さらに舌が亀頭に絡みつき、尿道口をストローのように強く吸い上げられる。
我慢などできようはずもなかった。
「摩耶……うっ、射精る……っ!!」
「んっ!? ……んくっ、ん、こきゅ……んん、ちゅる、っく……」
びゅくびゅくと勢いよく噴き出す白濁に、摩耶が驚いたように目を見開く。
しかし、咥内に捕らえた獲物を解放することはしない。白い喉を小刻みに上下させ、音を立てて精液を嚥下していく。
やがて射精がおさまって、精液をすべて飲み下してから、摩耶はようやく口を開いた。
解放された肉棒は未だ硬さを保ったまま、白濁と唾液でぬらぬらと光っている。
「はあ、はあ……っ、提督、お前、出し過ぎ……こっちは飲み込むのに必死だっていうのによー……」
「摩耶……飲んでくれたのか」
「あ? ……アレって、普通は飲むもんじゃないのか?」
……どうやら、どこかで誤った知識を仕入れてきたらしい。
何にしても、嬉しい驚きだった。この礼はたっぷりしてやらなければと、提督は身を起こし……
「ま・だ・だっ!!」
再び襲ってきた強烈な快感によって、布団の上に崩れ落ちた。
摩耶の嗜虐的な笑みが見える。その胸元に、射精したばかりの肉棒がしっかりと抱きしめられ、挟み込まれていた。
「あたしを怒らせた、って言っただろ? まさか、あんなもんで許してもらえるなんて思っちゃいねえよなあ……?」
みっちりと弾力の詰まった乳房が、むぎゅっと中央に寄せられ、肉棒を押し包む。
それだけでも息の詰まりそうな快感だというのに、更に摩耶は体を上下に動かして、おっぱいで肉棒を扱いてきた。
「ほーら……アネキ達ほど大きくはなくても、こういうことはできるんだぜ?
気持ちいいよな? あたしたちの提督は、おっぱい大好きだもんなあ?」
ぎゅっ、ぎゅっと隙間なく閉じられた乳肉の中で圧搾される。
その柔らかさと弾力を見せつけるように、形を変えながら肉棒を攻め立ててくる乳房から、一瞬も目を離すことができない。
視覚的ないやらしさと快感が相まって、まったく動けないまま、あっという間に二度目の絶頂へ押し上げられていく。
「うん? あ……ははっ。なんだよ、もうイきそうなのか? 早すぎだぜ、提督?」
からかいながら、摩耶は腕を内側へ寄せて、いっそう強く谷間を閉ざしてくる。
そして谷間から飛び出した亀頭を口に含まれ、パイズリフェラで一気に責められると、提督は再び白旗をあげた。
「ぐあ、あ……っ、ま、摩耶……イくっ!!」
「んんっ! ……ちゅうう、んく、ん、こく、ん……ふふ♪」
一回目の射精より幾分慣れた様子で、摩耶は精液を飲み下していく。
その間、摩耶はずっと上目遣いにこちらを見上げており、連続絶頂に身震いする姿を愉しげに観察しているようだった。
すべて吐き出し終えた肉棒を、舌で綺麗に掃除してから、摩耶は身を起こした。その全身に優越感がみなぎっていた。
「どうだ、提督? あたしを組み伏せようなんて、十年早いんだよ」
「くっ……今までは、エッチの時になると赤面して何もできなかったくせに……」
「う、うるせー! ……でも、あたしの好き勝手にできるんなら結構楽しいな、これ。病みつきになりそうだ……」
摩耶は負けじと不敵に笑って、提督の体に跨がった。
しとどに濡れた秘裂をくぱぁと開き、そこからしたたる蜜を肉棒に垂らしていく。
二連発で力を失いかけていた肉棒が、本来の用途──膣への接合、そして生殖──を思い出したように、再び硬さを取り戻していく。
そうして、半勃ちくらいに復活したところで、摩耶は一気に腰を落とした。
「っんん! あ……っ、はあ……!」
淫らに濡れた媚肉同士が擦れ合い、司令室に水音が響く。
抑えた喘ぎ声をあげる摩耶の下で、提督は肺の奥から息を吐き出した。
摩耶の膣内はとてもきつく、特に肉棒の根本とカリの辺りを、そこが弱点だとわかっているかのように強く締めつけてくる。
いつもと上下が逆の騎乗位でも、その締め付けは変わらない。いや、むしろ──。
「さぁ……っ、あたしのココで、搾り取ってやるよ……ほら、ほらっ!」
ぐちゅりぐちゅりと激しい音を響かせて、摩耶はダイナミックに腰を振り回す。
狭い膣内で揉みくちゃにされ、膣襞に全方位から肉棒を擦られて、逃げ場のない悦びが襲いかかってくる。
電流のような快感が何度も脊椎を突き抜けて、そのたび全身の力をもぎ取られるようだ。
息の上がった摩耶が、くすくすと笑ってこちらを見下ろしていた。
「んんっ、あっ、ふうぅ……ほら、いつでもイっていいんだぜ? 二度と悪さできないように、徹底的にヌきまくってやる……!」
「ぐぅっ……そ、そうは……させるかっ!」
「んふぁあっ!?」
渾身の力で突き上げると、摩耶の体がびくびくと激しく震えた。
すかさず両手で腰を掴み、何度も摩耶の奥を揺さぶるように肉棒を突き立てる。後のことなど考えない猛反撃だ。
「ふぁっ、あっあっ、いやっ、ていと、く、動く、なぁっ」
「守りに入ると弱いのはわかってるんだぞ、摩耶っ」
「う、うるせーっ……提督なんか、もう二回もイってるくせにっ!」
「そうだな。じゃあ、これでイーブンだ」
「ひあぁぁっ!?」
生意気にも言い返してくる摩耶を見つめ返して、陰核を強めに指で摘むと、摩耶は面白いように体を跳ねさせる。
さらに下からのピストンで、膣内をごりごり擦ってやる。中と外への同時攻撃に摩耶が弱いのは、とっくに把握済みだ。
「にぁっ、待て、っ、て、いと、くっ! あっ、だめ、やっ、ひぅあああぁぁっ!!」
ぷしゅっと勢いよく潮を噴いて、摩耶はあっけなく果てた。もともとこちらを攻めながら興奮していたせいもあるのだろう。
脱力した摩耶の肢体を転がして、正常位でもう一度肉棒を突き刺した。
イったばかりで大洪水になっている膣を、愛液をかき出すように、じゅぷじゅぷと突き荒らす。
「あぁーーっ!! ひ、っん、んんぅううっ!!」
「形勢逆転だな。今度こそたっぷり可愛がってやるぞ、摩耶……」
「ちょ、調子に、乗んなぁ……あたしが……負っ、けるかぁ……!!」
「……うっ?」
いつから勝ち負けになったんだ、などと指摘する余裕はなかった。すらりとした摩耶の脚が、提督の腰に絡んできている。
より密着度を増すように体が引き寄せられ、前身がぴったり触れ合う。
と同時に、膣内が収縮し、無数の襞が肉棒に吸いついて舐めしゃぶってくる。今までとは段違いの、強烈な刺激だ。
「こうすれば、腰は振れねえだろ……さあ、ナカで締めてやるよ……んっ、くっ」
「ぐ……ぁ!」
「ん、っう、あ、あたしのナカで、脈打ってる……締めつけるだけでも気持ちいいって、ホントなんだな?
……はぁ、っ! こ、こら、挿れてんのにビクビク暴れんなよっ……!」
摩耶が、絡めた脚を内側へ閉じようとするたび、波打つような強い収縮で、肉棒が揉みしだかれる。
腰が抜けそうになるのをかろうじて踏みとどまり、目の前で揺れる乳房にしゃぶりついた。この体勢でやり返す手段は、それくらいしかない。
「はふうっ……! て、提督っ、まだやる気か……あっ、ぁ……!」
摩耶が身をよじると、わずかに脚の拘束が緩んだ。すかさず、腰を前後に振りたてる。
熱く脈打つ肉の杭を最奥に打ち込まれた摩耶の体が、ブリッジのように反り返った。
「くううっ! て、提督……っんぁぁ、はうっ、ていとくぅ……!」
「摩耶っ……摩耶……!」
快感に蕩けた顔でこちらを見上げながら、摩耶は獣のようにがむしゃらに、下から腰をグラインドさせる。
提督もまた本能に身を任せ、がむしゃらなピストンを繰り返して、同時に上り詰めていく。
わずかに早く果てたのは、摩耶の方だった。
「あっ! あぁぁ! やっ、イくっ、ていと……くぅ、っ、んんんんんぅっ!!」
摩耶の全身の震えとともに、膣内が収縮する。雄から子種を搾り取らんと、強く強く締めつけてくる。
頭が真っ白になるような快感。
雄としての欲望に身を任せるまま、提督は摩耶の胎内に大量の白濁を吐き出した。
「あぁ! あ、熱……ぅ、んん……! 提督、っ、あ、ぁ……! ……てい、とく……」
体のいちばん奥で射精を受け止めながら、より深くそれを感じ取ろうとするように、摩耶は自分の下腹部に手のひらで触れて。
いつもは決して見せることのない、穏やかな微笑みを──ほんの少しの間だけ、浮かべていた。
***
その後、「夜戦突入だ!」と言って聞かない摩耶(先にイったのが悔しかったらしい)に付き合わされて、何度も体を重ねた。
気づけば夜も更けて、とうにドックは空いていたのだが、二人とも腰が立たなくなってしまったために入渠は明日の朝ということになった。
二人して司令室にお泊まりである。これもいつものことだ。察していただきたい。
「摩耶ー、腕枕してやろうか? いや、是非したい。させてくれ」
「やだ。明日も早いんだから、さっさと寝ろよ」
「じゃあせめて、おやすみのチューを! さっきは一度もしてなかっただろ、なあ、チューしようよ摩耶ー」
「……提督。こういう時のお前も、ちょっとウザいぞ」
摩耶は布団の中で提督と体が触れないようにしながら、それ以上しつこくするなと言わんばかりに、ジト目で睨んでくる。
こちらの希望としては是非、事後はラブイチャムードに浸りたいのだが、そういうのは許してもらえないらしい。悲しいことだ。
「はあ……わかったよ。そこまで嫌われちゃ仕方ない。大人しく寝るよ」
「……えっ? いや、おい……」
実際、摩耶の言うとおり明日は早いのだ。体力回復のためにも、さっさと寝た方が良いだろう。
摩耶がまだ何か言い掛けているような気がしたが、構わず目を閉じた。
……?
何やら、布団の中でもぞもぞ動く気配がある。暖かい素肌の感触が、胸元に触れる。
顔のすぐ前に誰かの息遣いを感じて、目を開いた。
「ちゅ……っ」
──摩耶のやわらかな唇が、提督のそれに重なる。
驚きのあまり硬直した提督の上で、摩耶はわずかに赤みの差した顔でそっぽを向く。
「……ウザい、けど……ちょっとだ。ちょっとウザいだけだかんな。嫌いとかじゃ、ねーよっ」
恥じらい混じりに呟く摩耶。
照れ隠しの向こうに見えた好意に、提督の心の底から、再び色欲まみれの衝動がこみ上げてきて──。
「摩耶ーーっ!!」
「ちょ、おいっ! 押し倒すな! 明日も早いって言ってんだろうがぁぁぁっ!?」
こうして今日も、鎮守府の夜は騒がしく更けていった。
(おしまい)