提督×伊勢14-714

714 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23:16:54 ID:OP/4A0t2
濡れ場のリハビリがてらに書いた駄文ですが投下します


※キャラ崩壊してるかも
※独自設定っぽいのあり


海沿いのある町の、その外れにぽつんと佇むコンクリートの小さな建物。
訪れる者のいないこの建物に提督が一人と艦娘が一人、ひっそりと暮らしている。

それほど大きくない町の、更にその郊外だけあって、周りには海以外何もない。
とは言え、別にこの提督が極度の人嫌いだとか、人目を憚るような訳があるとか、極秘任務に就いているとかいう訳ではない。
いや、任務と言えばそうなのだが―

数か月前、人類は深海棲艦と無期限の停戦状態に入った。
深海棲艦側としては、既に人類に対抗するだけの組織も、それを維持するだけの兵站もなく戦争を継続するのが困難になった。と言うのが一番の理由だ。

開戦当初こそ人類に対し攻勢に出ていた深海棲艦だったが、当初の計画よりも早く、そして広範囲に拡大した戦線は、やがて兵站の限界を超えてしまった。
その上緒戦の勝利によって徐々に現場至上主義が蔓延り、司令部を無視しての更なる戦線拡大が恒常化し始めた。
しかしこうした野放図な戦線拡大がいつまでも続く訳がなく、やがて最前線でも補給が滞り始めると、孤立した前線の艦隊は真っ先に人類側反攻作戦のターゲットとされた。

人類側の高度に組織化された軍隊や、大量投入される艦娘やその他の兵器、それらを維持するだけの生産力と兵站管理能力の前にこうした艦隊は次々と掃討され、
各海域で戦線の崩壊が起こると、士気低下や補給の停滞、更に現場至上主義の弊害として命令系統が混乱。
平然と命令無視や残党の軍閥化が頻発し、もはやだれが敵なのかも分からなくなってきていた。

こうして四分五裂した深海棲艦は急速に弱体化、戦争の継続はおろか、上層部はまともに命令に従う戦力がどの程度残っているのかも把握していなかった。
―上層部もまた、そうした問題より自分の軍閥の拡大に重きを置いていた。

こうして始まった泥沼の内部抗争により人類との停戦を申し入れ、人類側もこれに対していくつかの要求をのむことを条件に停戦に応じた。
結局、戦争という行為に関しては、有史以来それを繰り返している人類の方が一枚も二枚も上手だったという事だ。

この停戦により各地の鎮守府や泊地とそこに溢れかえる提督や艦娘はその存在意義が薄れ、多くは除隊か、沿岸監視の名目で各地に飛ばされた。
その沿岸監視とは名ばかりの飼い殺しにあるうちの一人が、この小さな建物に暮らす提督である。

715 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23:22:48 ID:OP/4A0t2
「おはようございます提督。ご飯にしましょう」
その飼い殺し提督と一緒にいるのが、今や彼の艦隊に唯一所属している艦娘となった伊勢であった。
戦後、他の艦隊に引き抜かれたり、自ら希望して解体され、普通の女性として除隊した者達が多い中、彼女は最後まで艦隊に残っていた。

「ああ、用意してくれたのか。済まないな」
寝ぼけ眼で小さな卓袱台に並べられた二人分の朝食を見て、提督は申し訳なさそうに言う。
「気にしないで。さ、食べましょ」
伊勢はそう答えながら提督を促し、自分も卓袱台の前に座る。

「「いただきます」」
二人向かい合って朝食をとりながら、提督はふと伊勢を見つめる。

「どうしました?私の顔に何かついている?」
「いや、見慣れたと思ったが、艤装をしていないと小さく見えると思ってな」
最近、伊勢は艤装をしていない時間が増えた。
以前の様に戦う事がなくなったので当然と言えば当然だが、身軽な今の姿は彼女を妙に小さく見せる。

やがて食事を済ませた二人は一緒に食器を洗い終えると、それぞれの業務に就く。
といっても大したものではない。
伊勢は外していた艤装を装備し、浜辺に出て瑞雲を発進させる。
名ばかりとは言え沿岸一帯の監視が任務である以上、日に何度かこうして哨戒を行い、ついでに感覚を忘れないために自主訓練を行う。

提督は周辺の見回りや施設内の保守点検、昨日までの報告の作成、時折司令部で行われる合同演習や図上演習等が仕事となる。
勿論、どちらも一日中やっている訳ではないため、他にやることがあるとすれば施設内やその周辺の清掃、海岸のゴミ拾いぐらいだろうか。
それでも陽の傾き始めるころには大体が終わってしまう。

飼い殺しと呼ばれる所以はここにある。
何重にも警戒態勢が敷かれ、無条件降伏に近い条件を呑ませて停戦した今、
深海棲艦が近海まで現れることはなく、辺鄙な田舎町の郊外で事件など碌に起こる訳もない。

一度砂利道でパンクしていた車を見つけ、ジャッキを持ってきてタイヤ交換を手伝ったこともあったが、精々その程度だ。
無論、こうした業務に大した報酬がある訳でもなく、
提督には最低限の生活物資の補給がある代わりに、戦時中に比べれば雀の涙ほどの給与で糊口をしのいでいる。

716 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23:26:41 ID:OP/4A0t2
この日も何ら変わりなく、西の空がオレンジ色に染まるころにはすべての業務を終えて提督が風呂を、伊勢が夕食の準備を始めていた。
こうした代わり映えしない日々や旨みの無い待遇に嫌気がさして除隊するものも多く、軍縮を迫られている上層部としてはそれが狙いでもあった。

「さて、今日も一日平和だったな」
提督は風呂を洗いながらこの頃この時間の口癖となった言葉をつぶやく。
伊勢からも特に何の異常もなかったとの報告を受けているが、そもそも異常があったためしがない。

「……これなら辞めたくなる奴が多いのも分かるな」
そう言いながらも提督はそのつもりは無かった。

それから暫くして、風呂の準備が整うとほぼ同時に夕食も完成した。
いつも通り、二人ともまずは先に風呂に入り、それから夕食となる。
普段なら二人分の食事が並ぶだけの食卓に、提督の懐では少し無理をした銘酒の小瓶が置かれている。

「「いただきます」」
いつもの通りの夕食に加えてコップ酒が追加された卓袱台。
しかしコップは三つ出されていた。

三つ目の前には何人もの名が刻まれた位牌が一つ。
今日はかつての仲間の命日だ。

戦争末期、深海側最後の抵抗とされた激烈な戦闘があった。
練度の足りない新兵たちまで駆り出し、補給も受けられないままに戦いを挑んだ深海棲艦の敗北は最早目に見えてはいたが、
それでもいくつかの艦隊との間では死に場所を求めたような古参兵の猛烈な抵抗に遭い、少なからず損害が出た。

その損害の一つが、この提督の艦隊。
そこには改装を終えたばかりの伊勢の妹もいた。

それからすぐに戦争は終わった。
仇討ちも弔い合戦もなく、その機会は永遠に失われた。
そして今、こうしてその死を悼むことが残された二人に唯一出来る事だった。

717 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23:29:22 ID:OP/4A0t2
その夜、二人は同じ布団の中にいた。

「伊勢……今日もいいか?」
「はい。提督……来て」

上になった提督が伊勢の首に手を回し、唇が触れ合う。
提督の舌が伊勢の歯の間から口の中に滑り込み、伊勢の舌とくちゅくちゅ音を立てて絡み合う。
それに合わせて提督の腕が伊勢の背中に回り、伊勢と密着するように強く抱きしめる。

互いが互いの舌を味わい、一度口を離して見つめあい、また再び口と舌が交わる。
口の中を十分に味わうと、興味の対象は下に移る。
提督の手は伊勢の形の良い胸に伸び、その広い掌で揉みしだく。

「んっ…!くふっ……」
乳房の形が変わる度に伊勢の口から声が漏れる。
いつもの黒インナーは着ずに、肌の上に直接白い上着を着ているため、少しはだけさせるだけで提督の手が直に伊勢の乳房に触れる。

手だけでは足りなくなったのか、提督は乳房の先端に吸い付き、舌先での愛撫を始める。
「ひゃん!あっ、ああっ」

提督の舌が何度も往復し、伊勢も何度も嬌声を上げる。
提督によって徐々に敏感になってきた伊勢の体は、舌が通る度に快楽の津波が押し寄せ、艶のある声が闇に響く。

口を乳房で塞いだまま、指は伊勢の股間に滑り降り、彼女の秘所に少しずつ侵入していく。
「ひゃっ、ああっ!提督っ!!ていと―くひゃあ!」
提督の指が、くちゃくちゃと湿った音を立て、伊勢の中へと沈んでいく。

「ふあっ、くうっ……!ううぅ……!!」
母乳を求める子牛の様に、提督の指は伊勢の蜜に向かって進み、トロリとしたそれを全体に纏わらせていく。

「くひっ!!ひううっ!!はぁ……はぁ……はぁああっ!!」
汗ばんだ伊勢から放たれる雌の匂いが、提督の嗅覚に絡みつく。

718 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23:32:17 ID:OP/4A0t2
「行くぞ……」
「はい……。ください」
提督のむき出しになった一物が、伊勢の膣に触れる。
十分に濡れた伊勢のそれは咥えた一物をスムーズに奥へと進ませていく。

「くううぅ……ああっ、くああ!!」
奥まで一物が入り込むにつれ、提督の腰づかいも激しさを増す。

「くふうっ!!ふあ、ふぁあああっ!!」
「伊勢!伊勢ぇっ!!」

喘ぎ声に応じるように、提督も伊勢を呼ぶ。
腰を動かし、一物を押し込むように提督の動きは激しさを増す。

「うあっ!あん!提督!!提督!!ひゃひぃ!」
「伊勢っ……!くぅ、うっ……はぁ……」
提督が絶頂を迎え、伊勢の中にぶちまけた。
「くうっ、うっ…ああああーっ!!」
伊勢もまた絶頂に達した。

行為を終え、静まり返った闇の中、提督は伊勢をその腕の中に抱いていた。
その目には涙が浮かんでいる。

「大丈夫よ。私はちゃんと傍にいます」
その声にこたえるように、提督の腕はよりしっかりと伊勢を―彼に残された唯一の心許せる相手を抱きしめる。
人間の友も、自分を慕ってくれた艦娘も看取ってきた彼は、帰る場所も頼る人もいなかった。

彼の家には誰もいない。
彼を迎え入れてくれるはずだった家族は、戦乱の中で皆死んでいた。

家族も仲間も失った彼に平和な世界は広かった。
たった一人で生きるには広くて広くて、途方もなく広くて広すぎて、無性に悲しかった。

結局、戻ってきたのはかつての仲間の場所。
それが唯一の心の支え、唯一の存在理由だった。

伊勢もまた同じだった。
大事な妹や仲間を失い、解体されることを考えた彼女にもまた世界は残酷なまでに広かった。

結局、戻ってきたのはかつての仲間の場所。
彼女もそれが唯一の心の支え、唯一の存在理由だった。

719 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23:34:03 ID:OP/4A0t2
結局二人は似た者同士、帰る場所もない家なき子。

この関係を女々しい傷の舐めあいと言われれば、二人とも否定する気は無かった。
だがいったい誰がその台詞を言えるだろう。
戦い続けて傷ついた末、居場所を失って彷徨い、ようやく手に入れた安息をだれが否定できるだろう。

「提督。私はずっと傍にいます。だから―」
伊勢は提督の胸元に頭をうずめる。

「提督も傍にいて。私の傍に」


かつて『くろがねの館』と呼ばれた艦があった。
終戦後、解体される予定だったその艦に家を失った人々が住みつき、その艦をそう称した。

そして今、同じ名の艦娘はまた戦争で行き場を失った者を支えている。
彼女自身も、支えられながら。





+ 後書き
720 :名無しの紳士提督:2014/10/12(日) 23:38:56 ID:OP/4A0t2
以上スレ汚し失礼しました。
以前から度々あった伊勢さん書きたい病の発作が出たので投下しました。
もっと木造迷宮っぽい感じにしたかったけどどうしてこうなった。


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戦後 提督 伊勢
最終更新:2015年08月26日 00:43