提督×鳳翔1-945避

 年頃の少女達が惜しげも無く眩しい裸体を晒し、お湯と戯れている。にこやかな笑い声が響き渡り、張りのある肌同士が同姓の気軽さで触れ合う。
 ここは現世の桃源郷、鎮守府は大浴場である。
 しかし勿論のこと男子禁制であり、いくら提督とて足を踏み入れることは許されていなかった。それでも無理やり押し入ろうとする神をも恐れぬ不届き者には、徹甲弾の洗礼が下されるだろう。

 所変わってここは鎮守府内にある提督の私室。そこには戸建用に使われるような割りかし広いユニットバスが備え付けられていた。
 夜半過ぎの現在、その浴室には二人の人影がある。
 一人は提督だ。軍司令部内ではまだ若輩ながらも、その豪腕をもって実績を上げ続ける男。本人も海上勤務の経験はあり、湯気に包まれる裸体は筋骨隆々とはいかないが、十分に鍛え上げられ引き締まっている。
 風呂いすに腰掛ける提督の前に傅くかのようにしているのは、裸体の女だった。風呂にいるのだから裸体であることは決して不思議ではないのだが、彼女を見慣れている者であればあるほど、肌を晒していることに違和感を覚えるかもしれない。
 普段の彼女は皆の規範となるような艦娘であり、いつもきっちりと道着袴を身に着けている。
 巷に溢れる洋装に比べれば、確かに道着のような前時代的とも言える衣装は機能的で無いかもしれない。現実問題として着こむ手間も比較にはならないだろう。
 しかしだからこそである。
 普段そうやって陽の光だけでなく人の目からも隠されている肌は、こうやって対峙する者に一種の特別感のようなものを与える。あの布地の下にこのような裸体が隠されていると知っているのは、いったい幾ばくの人数だろうか。
 男の熱のこもった視線に気がついたかのように、女は少し恥じらいがちに体を揺する。女の身体が、まるで男を誘うかのように水滴で濡れ光っていた。

 海に出ているとは信じられない程に白くきめ細かい肌には、ほんのりと赤みがさしている。
 胸の膨らみは決して大きいとはいえない。駆逐艦でさえ、彼女以上に単純なスタイルの良さを誇る艦娘は多く居るだろう。しかし余分な肉のついていないお尻とも併せ、小さな胸は身体を流れる線に一種の調和を与えていた。
 日本的な美人とでも言えばいいのだろうか。一見すれば禁欲的(ストイック)でありながらも、薄皮の一枚奥にはうねるのような激情を押し隠しているような。少し目を凝らせばぞっとする程に匂い立つ色香が、湯気に混じり浴室内には満ちている。
 確かにグラマラスなどという形容詞とは程遠い。だが彼女の裸体を前にして、理性を保てる男はどれだけいるものだろうか。

 お湯を掬う所作の一つとっても、彼女には洗練された趣があった。
 普段は家事もこなしており、少し間違えば所帯じみているとなるところなのだが、生来の気品とでも言うべきものが彼女には備わっていた。
「では、お身体を洗いますね」
 垂れ目がちで柔和な瞳が、薄っすらと細められる。
 彼女の透き通った黒瞳が潤んでいるのは、決して湯気の熱のせいだけではないだろう。
 熱い吐息を漏らしながら、彼女はボディソープを自らの肌に垂らしていく。白濁は胸元を滴り、彼女の下腹部まで白い道を作り上げた。
「鳳翔のそういった姿は堪らんなあ」
「ふふっ。ありがとうございます」
 艦娘。鳳翔は提督の言葉に、満更でもなさそうに微笑んだ。普段から色素の薄い肌は赤みを帯び、耳元やうなじは既に薔薇を思わせる艶やかな色彩を放っている。
 淡い白と赤のコントラストは、溢れる生命力を象徴するかのようだった。どのような職人の仕立てた衣装とて、この裸身以上に彼女を美しく扇情的に見せることは難しいだろう。

 鳳翔は提督へと身体を寄せながら、手のひらで肌の上のボディソープを泡立てていく。空気を揺らす撹拌の音が、否が応でも期待感を高まらせる。洗剤を泡立てる音の筈が、異様なほど淫らに感じられた。
「では、失礼します」
 提督の二の腕に肌を触れた鳳翔は、自らの身体を手ぬぐいのように使って、男の身体を清めていく。
 沈み込んでしまいそうなほどに堪らなく柔らかい肌が、男の筋肉の上に泡立てた洗剤を塗りこむ。ボディソープのヌメリは勿論なのだが、汗と体温の混じった鳳翔の肌は密着しているだけで男の理性を削り取っていく。
 二の腕へと押し付けるようにされる、胸元のわずかな膨らみ。洗剤で白く泡立ったその部分で擦られれば、蕩けるような快感が肌に広がっていく。
「どうです? 提督」
「ああ、いい気持ちだ」
 今にも押し倒したい衝動を堪え、提督は鳳翔に身を任せる。
 彼とて数々の艦娘を手篭めにした自他ともに認める手練であったが、鳳翔のペースを乱そうとはしない。そこにあったのは、セックスにおける一種の信頼のようなものだった。
 短くない付き合いでそれを鳳翔も知っているのか、鳳翔の奉仕にもどことなく熱がこもる。

 肌が擦れ合う度に水音が淫らに響き、鈍い快感めいたものが頭の奥に蓄積していく。
 鳳翔の吐息は掠れを帯び、浴室の空気を熱っぽく揺らす。提督の身体へとボディソープによる愛撫を行いながら、鳳翔の目は自然と一箇所に吸い寄せられてしまうようだった。
「提督のここ、凄く大きくなってますよ」
 提督の背中に身体を擦り付けながら、鳳翔は男の主砲へと指を絡める。巨大な主砲は熱く脈動し、鳳翔へと欲望を訴えかけているようだ。
 鳳翔は提督の身体越しに、ボディソープの絡まった指先でゆっくりと主砲を擦り上げる。歓喜するかのように震える主砲に、鳳翔は愛おしげな吐息を漏らす。
「私の手の中で、提督のオチ×チンが熱く震えてます」
 提督の耳元へ淫靡な言葉を囁きながら、鳳翔の手淫は続いていく。ボディソープが泡立ち、洗剤越しの柔らかくとろりとした刺激が男の最も敏感な部分を包んでいく。竿を擦り上げ、亀頭を優しく刺激する、まるで快感を知り尽くしたかのような指奉仕だった。」
 先端からは先走りが垂れ落ち、それが潤滑油となって更に指奉仕の快感を高める。擦り上げる度にくちゅくちゅと響く水音の速度は、徐々に早くなっていた。
(提督のオチ×チン、もっと熱くなってる。ああ、指が火傷してしまいそうだわ)
 自分の愛撫で提督が感じている。その事実に鳳翔の心の中には、充足感のようなものが広がっていく。心地良いその感覚はきゅんっと鳳翔の胸を締め付けるのだった。
「提督……」
 熱っぽく耳元で囁きながら、鳳翔は空いている左手を提督の指先に絡める。まるで男の快感がそのまま流れ込んでくるかのように、指奉仕を行いながら鳳翔の息も切なげになっていく。
 指先で感じる熱が一際大きくなり、何かを訴えるかのようにぴくぴくと指先で感じる主砲が小刻みに振動する。心なしか提督の息も荒くなっているようだ。
 そしてびゅるっと巨大な主砲からは白濁が打ち出される。何度も宙を舞う精子から、鳳翔は目が離せなかった。白濁が浴室の床を汚し、栗の花を思わせる香りが鳳翔の身体を包んでいく。
「ふふっ。いっぱい出ましたね」
 母親が幼児を褒めるかのように母性を滲ませながら、鳳翔は提督の唇を求める。
 勿論提督にキスを拒む理由など無く、鳳翔の薄い唇が肩越しに提督の唇に触れた。

 薄い唇が吸い付き、その隙間では真っ赤な舌が独自の意思を持った生物であるかのように、その身をくねらせ絡まり合う。
 ざらつく舌先のもたらす快感は、舌が普段味覚を感じるための器官であると信じられなくなる程だ。互いの舌先が擦れる都度、鳳翔の背筋を甘い疼きが駆け上がる。
 既に奉仕によって、鳳翔の身体にわだかまる淫熱も許容量を超えていた。太ももを濡らす雫は、決して湯だけではなかった。もっと熱い激情が、鳳翔の内側から堪え切れずに滴り落ちる。
「……提督」
 名残惜しそうに鳳翔は提督から唇を離す。薔薇色に染まった頬。だらしなく半開きになった唇からは、掠れた吐息が漏れている。
「随分とエロい顔だな。実に可愛いぞ」
「そんな……ひゃぁッ」
 普段言われることのない言葉に戸惑ったのも束の間、花弁を撫で擦る指先に鳳翔は肩を震わせた。
 鳳翔の反応を確かめるかのように、提督はゆっくりと陰唇を刺激していく。
「ああっ、そんな……」
 まるで焦らすかのような提督の指使いに、鳳翔は切なげに息を漏らした。眉尻を八の字に寄せ、唇を噛みしめる。
 何かを求めるかのように花弁は蠢き、そんな自分の反応を恥じるかのように鳳翔は顔を俯ける。しかし提督の指先は鳳翔の反応などお構いなく、好き勝手に動きまわるのだった。
「あッ、あぅっ……そ、そこは……んんぅッ!」
 指の腹が擦り上げたのは、ぷっくりとその身を露わにしていた赤い肉芽だった。クリトリスから与えられる刺激に、鳳翔は堪らずに白い喉を反らせて快感に喘ぐ。
 今まで蓄積していた快感が身体の中で暴れ回り、鳳翔は自らの理性がすり減っていくのを感じていた。
「提督ッ、わたし……あああッッ」
 花弁から滴り落ちる蜜が提督の指先に撹拌され、淫靡な水音を響かせる。掠れていく理性に鳳翔は、意識しない間に自らの両腕を提督の肩に回していた。
 男の屈強な胸板に自らの額を埋めながら、鳳翔は与えられる愛撫に快感の嬌声を漏らす。
 一体他の艦娘の誰が、鳳翔のこのような声を想像できるだろうか。普段は温かい目で皆を見守る鳳翔が、提督の愛撫によって紛れも無い女の声を響かせ、白濁とした本気汁を滴らせている。
 細い肩が震え、提督にすがりつく指先に力がこもる。掠れた不規則な呼吸は、鳳翔が絶頂に近づいていることを如実に語っていた。
「ああッ、ダメッ……もうッ、んあああああッッ!!」
 抑えようとしても抑えきれないかのように、今までより大きく繰り返し鳳翔の身体が震える。
 それは長い絶頂だった。波が過ぎ去り、力なく脱力して提督にしなだれかかった鳳翔だったが、彼女の花弁は物欲しげに収縮を繰り返している。
 彼女の内に燻る熱も、却って大きくなる一方だった。

 鳳翔が上目遣いに提督を見つめる。
 結い上げた髪がわずかに解れ、薔薇色の頬に数本の髪が張り付いている。淫熱に滲んだ瞳で何かを乞うかのように見つめてくる鳳翔は、提督でさえ思わず背筋に震えが走るほどの色香を漂わせていた。
 まるで周囲の景色さえもが、彼女の色香で霞んでいるかのようだ。目の前の女から、提督はどうやっても視線を外すことなど出来なかった。

「提督。わたしに、どうか提督のご慈悲を」

 風呂いすに座ったままの提督の膝に、鳳翔は自ら跨るように体重を預ける。既に体積を増している主砲は、鳳翔の花弁と今にも触れ合わんばかりだった。互いの性器で、互いが吐き出す熱気を感じ取れる、そんな距離。
「まったく、お前という奴は」
 膝に乗った鳳翔の視線は、提督と同じ高さになっている。二人は淫熱で粘ついた視線を絡ませながら、互いの性器を触れ合わせる。花弁が限界まで入り口を広げ、巨大な主砲を呑み込んでいった。
 入り口の窄まりは、キツく提督の主砲を締め付ける。十分に溢れている潤滑油に助けられて挿入は容易ではあったが、絶え間なく繰り返される収縮に、気を抜けば今にも射精してしまいそうだった。
 しかし一歩中へと踏み入れれば、熱く蠢く膣壁が主砲の敏感な先端を包み込んでくる。濡れそぼり蕩けた膣ヒダが、まるで奥へ奥へと主砲を導くかのように蠕動運動を繰り返している。
(これは堪らん……)
 脳髄が痺れる程の快感が背筋を駆け上がり、急速に射精感の波が襲い来る。しかし提督は顎を引いて歯を食いしばり、湧き上がってくる射精感を追い払った。挿入してこんなすぐに射精とは、提督としての沽券に関わる。しかし最初に抜いていなければ射精していたかもしれないと、提督は冷や汗の伝う思いだった。
「ああッ……凄い。提督っ。わたし、提督のこと」
 提督の気も知らず、鳳翔は自ら腰を揺らし、更に提督の主砲を感じようとする。
 楕円を描くように腰を揺すり、敏感な膣粘膜をカリ首で自ら擦り上げる。
「ああっ。ああッッ。気持ちいいです。提督、大好きです。提督っ」
 快感に蕩けた声で愛を囁く鳳翔の乱れ姿は、普段からは全く想像がつかない。しかし提督は、こうやって快感に溺れる鳳翔も確かに鳳翔なのだと知っている。
 それほど鳳翔にも余裕があるわけではないのだろう、彼女も既に限界が近いようだった。小ぶりな胸元を上下さえ、眉尻を寄せながら鳳翔は絶頂へと向かっていく。
「んぁっ、はあっ……ください、提督。奥に……ッ」
 激しいピストンがラストスパートめいて何度も繰り返され、二人の性器の熱は堪え切れないほど大きくなっていく。
 何割も体積を増した巨大な主砲が鳳翔の最奥を突き上げ、膣壁は歓喜するかのように巨大な主砲へと絡み付く。
絶頂間際の神経が焼き切れてしまいそうなほどに加速し、知覚する情報が極限まで拡大されたように感じたのはまさに一瞬のこと。吐精の快感に本能が歓喜に震える。全身を毛細血管の隅に至るまで絶頂感が駆け抜け、提督は何度も鳳翔の子宮へと精子を吐き出した。

 事後、二人はゆっくりと湯船に使っている。
 とはいっても流石に二人一緒に浸かるには湯船は手狭であり、提督が鳳翔を抱っこするような格好にならざるを得なかったが。
 激しいセックスで堆積したどこか心地よい疲労感が、湯の中に溶けていくようだ。提督は気持ちよさそうに深く息を吐く。
「ねえ、提督。さっき言ってくれたこと、覚えてます?」
 はて、何のことだろうかと提督は鳳翔の言葉に首を捻る。何か変なことでも言っただろうか。
「ほら、その……可愛いって、言ってくれたじゃないですか」
「あー。そういえば言った気もするなあ」
 行為の最中、提督は特に意識するでもなく鳳翔に可愛いと言葉をかけていた。
「それ、本当ですか?」
「ん。どういうことだ」
「その。わたしってあんまりそういうこと、言われたことないですから。本当なのかなって。みんなわたしのこと頼りにしてくれるのはいいんですけど……」
 確かに鳳翔に対し、可愛いという言葉を使う人間はあまりいないだろう。どうやらそれが、鳳翔には少し不満なようだった。
「ちょっと、何笑ってるんですか。わたし真剣なのに」
 思わず吹き出してしまった提督のことを、鳳翔は不満げに睨む。
「あははは、すまんすまん。しかし鳳翔は可愛いぞ。みんな思っていても言わんだけだ。俺が保証してやろう。世話焼きの所とか、道着が似合う所とか。垂れ目がちな瞳とか、小さいおっぱいとか。エッチの時にもの凄くエロく腰を振るところとか、鳳翔は堪らなく可愛いって、痛たたた。な、何するんだ!?」
 恥ずかしげもなく語られる言葉に、鳳翔は耳までを真っ赤にしながら提督の二の腕を摘んでいた。

「もうっ……提督なんて知りません。バカ」

 そっぽを向いて呟く鳳翔の姿に、そういう姿も可愛いんだよなあと提督は改めて思うのだった。


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鳳翔 提督
最終更新:2021年03月25日 00:25