提督×川内1-717避

その日、提督はいつもより早く布団に入った。
うとうとし始めたころ、突然布団の中に何者かが滑り込んできた。

その何者かは提督にぴったりと体を寄せ、その息が耳にかかるほどの距離から囁くように告げた。
「提督。夜戦しよ!」
「……何をしている?」

開かれた提督の目が侵入した川内をその視界の中央に捉える。
もぞもぞと上半身だけを起こした提督に、川内は小首をかしげている。

「間違えた」
「ようやく気付いたか」



「ドーモ、テイトク=サン。川内再び改善デス」
フートンへの侵入者はそうアイサツした。古事記にもあるニンジャのイクサにおける礼儀である。
聡明な諸氏は既にお気付きであろう。川内再び改善はニンジャなのだ!

「アイエエエエエエ!ニンジャナンデ!?」
突然のニンジャとの遭遇に提督はNRSを引き起こししめやかに失禁した



「―って感じになる筈だったのに」
「そこかよ!この歳で失禁してたまるか。忍殺のあれはニンジャであって忍者ではない。だからお前を見ても失禁しない。いいね?」
「アッハイ」
などとどうでもいいやり取りをしている場合ではない事を提督は思い出した。
「で?改二があからさまに忍者だから寝首をかこうと?」
川内は首を横に振り、提督の目をまっすぐに見つめて答えた。

「提督の寝ている布団に潜り込めば房中術っていう夜戦を教えてもらえるって」
「ふぁ!?」
提督はこの時、完全に眠気が吹き飛んだ。

「誰だそんなこと言ったのは……いや、言わなくていい」
そう言うなり提督は枕元から万年筆を取ると扉に向かって投げつける。
ダッという音と共にそれが突き刺さった扉の向こうから、誰かが走り去る音が聞こえてくる。


「提督?」
「気にするな。お前に吹き込んだ奴だ。青で始まって葉で終わる重巡」

敵ではないと分かると川内も気にする必要はないと考えたのだろう。
「提督。私にその房中術っていう夜戦教えて!」
「お前……意味分かっていってるのか?」
まっすぐに見つめながら小首をかしげる川内の耳に房中術とは何かを囁く提督。

ピクリと川内が固まり、耳が真っ赤になる。
「さて、じゃあ教えようか」
「え?やっ、あのっ……ちょ、待って……!」

すっと提督の手が川内の腰にまわされる。
そのまま横になる動作で川内を寝かせ、両腕の中にしっかりと抱きしめる。

「いやあの……提督…」
「嫌か?」
提督の声に腕の中からもじもじと答えが返ってくる。

「い……嫌じゃ、ないけど…」
最後の方は聞き取れないぐらい小さな声だったが、それが終わるか終らないかの内に提督は再度川内を抱きしめる。

「女の体ってどうしてこんなに柔らかいんだろうな」
腕の中で大人しくなった川内の顔を自分に向けさせると、その柔らかい唇に自分の唇を吸いつける。
「んっ……」
二人の舌が絡み合い、唾液がお互いを行き来する。
「んっ……んっ…」

当初はされるがままだった川内だったが、自分の腕を提督の背中にまわし始める。
やがて提督が口を開放すると、川内は熱っぽい潤んだ目で提督を見ていた。

「んっ…はぁ……提督、何を……したの?体が……熱い」
「なに、まずは見本だ」
提督はにやりと笑い川内を再度抱き寄せた。
青葉への罰はひとまず見送ろうかなどと考えながら。


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最終更新:2018年08月24日 00:54