提督×羽黒9-633

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赤道直下とはいえ流石に夜になると涼しい風が吹く。
煌々と光る13夜月の月光が眩しいくらいに見える。
月明かりを楽しみたいため照明は抑え目にしている。
開け放した窓から入る風に含まれる潮の香が男の心を擽る。

―やっぱり、俺は海が好きなんだな。

柄にも無くロマンチックな気分になっている自分に苦笑する。
そして、高まる胸の鼓動が緊張からもたらされるものであることに改めて気づかされる。

―やれやれ、これじゃ童貞だな…昔はバーって言ったんだっけか。

帝国海軍の将帥に憧れ、それに近しい立場になった男は、それ故か妙に帝国海軍士官ぶりたがる傾向にあった。
その割に完璧に士官ぶれて無いところがこの男-提督の長所でもあり短所でもあった。
これから一人の艦娘が彼の私室を訪ねてくることになっていた。
夜、艦娘が独りで自室を訪ねてくる。
それ自体は特に珍しくも無かった。
だが、今晩訪ねてくる艦娘は特別だった。
大日本帝国海軍一等巡洋艦妙高型4番艦「羽黒」。
かの大戦では蘭印攻略戦を皮切りに、サンゴ海、ミッドウェー、ソロモン、マリアナ、レイテと勇戦し大戦最後の水上戦で倒れた勇者。
幸運艦、武勲艦の名を欲しい儘にし幾多の海軍士官下士官兵に愛された傑作重巡。
その魂を継いだ艦娘が彼の部屋にやってくる。
恐らくは彼と契りを結ぶために。
そして、彼は彼女を武勲艦だから愛しているのではない。
セミロングボブの黒髪も、いつも八の字気味の眉も、伏し目がちの大きな目も、少し猫背気味の姿勢も。
引っ込み思案なところも、仲間思いなところも、芯の強さも。
気が付けば彼女の全てに彼は恋をしていた。

―恋、しているのか?俺は!

ぶふっ、と変な息を漏らしてちゃぶ台に提督は突っ伏しながら赤面した。
いい歳を恥ずかしい、とは思うが短くない人生経験からしてこれは間違いない。
部下に恋するなど、まして自分よりも随分と年下に見える娘に恋するなど思ってもみない事だった。

「ふふ、道理で、緊張するわけだ」

顔を上げると口に出して笑いがこみあげてきた。
恋する彼女との初めての夜。
リラックスできるほど彼は男前では無かった。
キッチリ決めた二種軍装。オーデコロン。髪もしっかり整えた。
無論、既に入浴を済まし念入りに体も洗ってある。
笑えるぐらいの童貞力である。
それほどに彼は羽黒に恋をしていた。
時計は2155。
私室をノックする音が響いた。

「誰か?」

扉の向こうに誰がいるのかはわかっていたが、平静を装うため誰何の声をかける。

「羽黒です、宜しいでしょうか?」

大きくも小さくも無く、ただ静かだが強さを感じる声が返ってきた。
彼の恋してやまない、彼の心を沸き立たせ、不安にさせ、切なくさせる声が。

「入って宜しい」

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扉が開き、廊下の微かな灯りを背に受けた細いシルエットが浮かんだ。
セミロングボブの髪に銀色の髪飾り。
朱の射した顔に大きな瞳と可憐な唇。
そして、普段の妙高型お揃いの制服と同じ色の和服。
月光に冴えるたおやかな菫のような美しさに提督は息を飲んだ。

「…あの、司令官さん?」

普段の気弱気な羽黒の声で提督は我に返った。

「あ、いや、ごほん。どうぞ」

鯱ばって立ち上がると羽黒を中に招き入れる。
井草の畳に戦艦長門の模型を飾った箪笥と障子にちゃぶ台。
最近、戦果で手に入れた改修予算を一気に使って和風を好む彼は部屋を完全に和装に整えていた。
ホテルを改装した天井の高い鎮守府の部屋にいささかミスマッチではあったがここが落ち着くという艦娘も少なくない。
羽黒は出された座布団に静々と座った。
ちゃぶ台を挟み向かいに座った提督はまんじりともせずその姿を呆然と見つめた。

―綺麗だ。

暫く沈黙が続いたが、緊張感に耐えられなかった提督は口を開いた。

「その、似合ってるな。その菫色の和服」

「……ありがとうございます」

はにかむように羽黒は上目づかいに微笑んだ。

「妙高姉さんが選んでくれました。その、司令官さんのお部屋にはこの服が合うって」

そう言って羽黒は頬を染めた。
『そうそう、和服の方が殿方は色々と致しやすいし、誘いやすっ、げふ』
と力説する足柄を那智がひじ打ちをして黙らせた事は黙っている。

―はぅぅ、き、緊張するよぉ

誠意一杯の勇気を振り絞って提督の部屋に来たものの何をどうしたらよいか見当がつかない。

―そうだ、お酒。那智姉さんありがとう。

『お互いいける口なんだからこれを持っていけ』
と那智から渡されたのは山形の銘酒《羽黒山・純米吟醸》の四合瓶だ。
『あ、あ奴は吟醸が好きだから…』
頬を染めそっぽを向きながら酒を渡す那智。
上がり症な羽黒と妙なところで口下手な提督の事を考えての事なのだろう。
那智の心中が複雑なのは羽黒も理解できた。
提督は那智にとって飲み仲間であり、想い人でもある。
妹が本懐を遂げられるのは喜ばしいが、焼きもちも同時に焼いてしまう。根が素直な那智の顔にありありとそう書いてあった。
妙高が酒瓶を丁寧に包んでくれた。
『羽黒。あんまり飲ませちゃダメよ』
明日は土曜日。とは言え鎮守府は現在、難関海域を攻略中であり土曜日といえど課業は普通にある。
深酒をさせて鎮守府の運行が滞っては、現在の秘書艦である妙高の立場も無い。
『そうよぉ。飲み過ぎると提督も若く無いから、いざっ!て時に、勃たないかっ、うぼぁ』
余計な事を付け足そうとした足柄の水月に那智の拳がめり込んだ。今夜提督と夜を過ごせない八つ当たりが20%くらい入っていただろう。

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「あの、司令官さん。こ、これ。い、一緒に飲みませんか」

「ん?おお、羽黒山の純米吟醸じゃないか!羽黒、ありがとう」

そう言うと茶箪笥から取り出した湯呑茶碗を二つ並べた。

「肴、肴は~。はは、こんなのしかないか」

そう言って取り出したのは、携帯糧食のイワシの缶詰だ。

「本当は暖めた方が旨いんだけどな~」

うきうきとイワシ缶のふたを開け、割り箸を二膳、ちゃぶ台に置いてから提督ははたと気づいた。
羽黒をほったらかしにしていた事を。

「す、すまん羽黒。久しぶりの吟醸酒だから浮かれちゃって…」

ちゃぶ台の向こうにちょこんと座った羽黒に真剣に頭を下げる提督。
日本酒を前に浮かれモードの中年士官をポカンと見ていた羽黒だが、やがてクスクスと笑い出した。

「司令官さん、お酒が大好きなんですね」

「へっ?……いやぁ、恥ずかしいところを見せたな」

羽黒が怒っていないと気づき、頭をポリポリと掻く提督の前に湯呑茶碗が出された。

「お一つ、どうぞ」

「ああ、すまない。いただこうか」

羽黒は嬉しかった。
普段から厳格というには程遠い提督ではあったが、こんなにくだけた姿を見るのは初めてだった。
それだけに彼に一歩近づけた気がした。もっともっといろんな彼を見たい、知りたい、近づきたい。
一緒にいたい。
少なくとも今夜、彼の最も近しい場所にいるのは自分なのだ。
勇気を出して良かった。
応援してくれた姉妹や鎮守府の仲間に感謝しながら茶碗に美酒を満たしていく。

「ど、どうぞ」

「羽黒も飲めただろ、さぁ」

恐縮する黒髪の艦娘がそっと茶碗を差し出した。
羽黒と二人きりで飲む。
今まであるようで無かったシチュエーションだ。
欠けていた時間を埋めるよう酒が満たされていく。

「じゃ、乾杯」

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「か、乾杯」

茶碗をかかげると提督は一気にそれを煽った。芳醇な香りの液体が喉を下る。
本来なら一口含んでじっくりと胃の腑に落としていくのが良いのだろう。
しかし今は、乾杯、その言葉の通り盃(茶碗だが)を乾してしまいたい衝動を抑えることはできなかった。
緊張とそれを上回る高揚感。目の前にいる艦娘と二人の時間を持てた事が提督には嬉しかった。
菫色の衣に身を包んだ羽黒が酒瓶を掲げて待っていた。
咳払い一つしてそっと茶碗を差し出すと慎重に酒を注いでくれる。
紗で織られた和服の菫色と羽黒の白い肌が絶妙な色気を醸し出す。
袂からチラリと見える脇と胸元の合わせ目につい目が行ってしまう。
いつも猫背気味なので、気が付かなかったがそこそこのボリュームをそこは主張していた。

「あの……や、やっぱり、気になりますか?」

ひょいと顔を上げると赤面した羽黒と目が合った。
恥ずかしがりやの彼女は普段ならこんな表情の時は目線を逸らしているところなのだが、今日の羽黒は違った。
男の方が赤面しながら恐縮して先に視線を逸らしてしまった。

「い、いや…その、なんだ、気にならないと言えば嘘になる」

ちびりと酒を口にする。妙に喉が渇く。

「……羽黒。こんな近くで君を見た事が無かったから」

茶碗をちゃぶ台に置くと羽黒の傍らに座る。

「綺麗だよ、羽黒。気付かなくてゴメン」

恋する男の顔がすぐ隣に来て羽黒の心臓は一瞬ドキリとする。
普段なら尻尾を巻いて逃げ出してしまうのだが、今日の彼女は違っていた。
羞恥や怯懦よりも彼への思慕の念が勝った。

「私も……司令官さんの顔、こんなに近くで見るのは初めてです」

そう言って彼女は瞳を閉じた。
提督は羽黒の肩に手を置いた。一万㌧重巡娘とは思えないほど細く柔らかな肩。
そのままそっと己が胸に寄せると唇を重ねた。

薄明りの和室に二人の影が重なる。
二種軍装に重なった和装の菫色が薄明るい灯りの下で静かに揺れる。

「んっ、はー……はぁはぁはぁ、しれい、官さん、んんっ」

長い接吻で苦しくなった息を継いだ羽黒だが、提督の顔をほうと見つめると自らその唇に口づけた。

―司令官さん、司令官さん……。

ずっと恋焦がれていた男の唇は思っていたより熱くて強くて、切なかった。

―離したくない。このまま時間が止まってしまえばいいのに………。

「んふっ、ちゅちゅちゅ、んんっ、ふぁ、んちゅ」

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「んっ、はぁ、はぁはぁはぁ、羽黒っ、待った」

執拗に唇を求める羽黒をそっと引きはがし提督は荒い息をついた。

「はぁはぁはぁ。はー、慌てないでくれ。俺も我慢できなくなる」

こつんと羽黒の額に自らの額を合わせ提督は苦笑いする。
彼とて思い焦がれた羽黒との接吻に興奮しないわけは無かった。

「あ、あの…ごめんなさい」

いつもの口癖が羽黒の口から洩れたが、いつものように顔を俯けてはいなかった。
羞恥に染まった真っ赤な顔を提督に向け精一杯の笑顔を作って見せる。

「が、我慢しないでください……羽黒、精一杯頑張ります」

「……羽黒っ」

男に我慢などできるはずも無かった。そのまま、ぎゅっと羽黒を抱きしめる。

「きゃっ、し、司令官さん?」

「羽黒、我慢しないぞ?いいな」

こくりと頷いた黒髪の娘の手を取った提督は彼女を夜具の上に導いた。

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菫色は不思議な色だ。
楚々として清らかなイメージと蠱惑的で妖艶なイメージが混在していた。
夜具の上に横たわった羽黒が正にそうだった。
はだけた襟から上下する白い膨らみが垣間見える。
浅黄色の帯でくくられた腰は程よく肉付いてまろやかな曲線を描いている。
乱れた裾から伸びる足は陳腐な表現だが白魚のように美しかった。
思わずごくりと喉が鳴った。
そのままもう一度口づける。

「ん、んっ?、はぁぅ、ちゅ、れろ、ふぅんっ」

今度のキスは文字通り遠慮は無かった。
可憐な唇を割り開いて提督の舌が羽黒の口に侵入する。
閉じていた前歯をそっとノックするように優しく愛撫するとゆっくりと口腔が広がった。
そっと舌と舌を逢わせるとびくりと舌が震える。
あまりにも予想通りの彼女らしい反応が微笑ましい。
そのままゆっくりと舌を絡めると羽黒も合わせるように舌を絡める。
熱く湿った肉のうねりと時折ふれる奥歯の硬質の滑らかさが心地よい。
提督の舌と共に送り込まれる唾液をごくりと飲み込むと胃の中から体中に熱が伝播していく。

「ふぅ、んふぅちゅ、ちゅちゅ、んちゅ、ふぁ、れろ」

提督は羽黒の口内を堪能するとゆっくりと彼女の舌を自身の口内に引き入れる。
おずおずと提督の中に侵入した羽黒の舌は柔らかく提督の口内をくすぐり始める。
前歯、奥歯、歯の裏、歯茎、唇の裏側、舌の付け根、次第に動きは大胆になっていく。
口と口での愛撫を続けながら、提督の手が袖から胸に侵入する。

「んちゅ、ちゅ、ん、んんっ?ふぁっ司令官さん?」

「すまん。でも、我慢できないって、言ったろ」

肌襦袢の下にたどり着いた手がふわりと膨らみに触れた。
下着に抑えつけられていなかったそれは柔らかく弾力した。

「あっ、やっ、んん」

柳眉を八の字に寄せて羽黒は思わず声を出してしまう。
初めて男の手に触れられた乳房が熱い。

「や、んん、ふぅんっ、くぅ、あはぁ、ん」

―恥ずかしくて顔から火が出そう。でも、気持ちいぃ。

肉欲に浮かされ始め頭の芯がぼんやりとしてくる。
それでいて体の感覚はより敏感になって痺れる様な快感が広がる。


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「羽黒、脱がせるよ」

ぼんやりとする頭でセミロングボブの髪が頷いた。
緩んだ帯をそっと外し、下帯を解く。肌襦袢を開くと白い裸身が現れた。
きめ細やかな雪肌が羞恥と情欲でほんのりと桃色に染まっている。
細身の体はその名を持つ重巡洋艦の最上甲板が作る曲線のように優美かつ引き締まっている。
華奢な印象の肢体に比べて、乳房はふっくらと盛り上がりピラミッド型に配置された前部主砲群のように存在感を主張していた。
当然のことながら主砲塔とは違いあくまでもなだらかで柔らかな双乳の先は桜色に色付いた乳首がツンと上を向いている。
荒い息で上下する初々しい乳房と相反して、贅肉のついていない腹部はなだらかだ。
縦に窪んだおへそがチャーミングなアクセントに見える。
飾り気のない白い下着が安産型の尻を包んでいる。
そこから伸びる白い太腿が内股に閉じられて淫靡さを醸し出している。

「羽黒、綺麗だ……本当に綺麗だよ」

戦場から帰ってくる艦娘達の中には艤装だけでなく着衣が大きく損傷している娘もいる。
羽黒も例外ではない。むしろ他の艦を庇って被弾し中破状態で帰港してくる事が多い。
不謹慎ながら、破れた着衣の隙間からそのプロポーションを邪推してしまったことが無いと言えば嘘になる。
しかし、眼下に輝く裸身は提督の陳腐な想像をはるかに超えた美しさだった。
提督の手が無意識に桜色の頂を持つ果実に伸びた。

「やっぱりダメ、恥ずかしぃ、です……そんなに、見ないで」

消え入りそうな声で羽黒は羞恥を告げる。
顔を真っ赤にした羽黒がおずおずと胸を隠そうとする。その手を提督は柔らかく抑えた。

「ダメ……見たい。今夜は羽黒をもっと知りたい」

そう言って乳房に指をめり込ませる。驚くほどしっとりと柔らかな肉が提督の指を包む。
少し指先に力を入れると乳肉は優しく押し返してきた。その肌触りと弾力に提督の欲情が高まる。

「あぁ、ダメ、んんん…しれぇ、官さぁん、はぁ、くぅん」

乳房を手のひらで包むように揉まれると愉悦の波が広がり、羽黒の全身に痺れる様な快感が響いた。
興奮から体積を増した白桃は提督の指に吸い付く様に弾み、その度に羽黒の口からすすり泣くような吐息が漏れる。
快感で意識がぼぉとなり、汗が噴き出す。しっとりと濡れた裸身が快楽に踊る。

「羽黒、痛くないか?」

「んぁんっ、は、はぃ。大丈夫、です、んんっ」

「じゃあ、こっちはどうだい?」

先端で切なげに揺れていた桜色の乳首を提督がクリクリと捏ねた。
既に硬く尖っていた乳首から全身に鋭く快感が走った。

「ひぅっ、あはぁぁんっ、やめぇ、はうぅぁ、はぁんっ」

一際大きな嬌声が和室に響いた。同時に提督はタガが外れたように羽黒の乳首に吸い付いた。
チュウチュウと敏感な突起を吸い、ぞろりと舌の腹で舐る。コリコリとした感触がなんとも心地よい。
口による愛撫を免れていたもう一つの蕾も提督は逃さない。
指の腹で優しく、時に強く弾く。増々硬度を増した尖りを乳肉に押しつぶしてはやんわりと引っ張り上げる。


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「やっ、あはぁん、しれぇ、だめぇ、あはぁ、んっんん、あぁぁぁん」

乳房全体が熱く疼き、男の欲望に翻弄される桜の花芯は強烈な快感を全身に響かせる。
今まで感じた事のない快感が羽黒を責めたて、溶かしていく。
顔だけでなく首筋まで赤く染める羽黒の痴態に提督の隠れていた嗜虐心に火が付いた。
なだらかな腹をそろりと下り、いきなり純白の下着に包まれた秘苑を撫であげた。

「ひうっ、やあ、それ、はぅぅぅぅんっ」

「えっ?羽黒。お前、もうこんなに」

撫でた指先に纏いついた湿り気に提督は驚いた。湿り気というよりもそこは既に溢れる蜜でしとどに濡れていた。

「はぁはぁはぁはぁ、しれぃか、さん……私、こんな感じ、初めて」

「……嫌だったか?」

打ち続いた快楽の波で四肢の力を失い、荒く息をつきながら羽黒は喘ぎながら頭を振った。
桜色の頬に涙が伝う。チュッと提督の唇が雫を吸い取った。
そうしてから羽黒を全身に抱き寄せ耳元で呟く。

「じゃあ、もう少し羽黒のかわいいところを見せてくれ」

そういうと下着に指を滑り込ませ、ヒクつく秘裂を撫で上げた。

「あっ、いきなりっ、ダメぇ、んっ、ぁぁぁっ」

くちゅりと水音を立てて愛液が指の隙間から零れる。くちゅくちゅと探るように蠢いた指先は硬いコリコリとした器官を探り当てた。
既に包皮から頭をもたげていたそれを提督はくるりと指先で撫でた。
そのとたん羽黒の脊髄を鋭い快感が駆け上がった。

「ふあぁぁぁっ、そ、そこぉ、らめぇ、い、いきなりは、あぁぁぁぁぁん」

背筋を弓なりにして喘ぐ羽黒の裸身を片手で抱きながら、提督はもう一方の手で更にクリトリスを責めたてる。
指先で突起を摘まみすり合わせたかと思うと指の腹でグリグリと押し込む。
突起の根元から扱くように指を上下させ、先端をクリクリと弄り回す。
執拗に陰核を責めながら、唇で羽黒の全身にキスの雨を降らせる。

「ひぁっ、い、いぃ…そこぉ、すごぃ、そんな、の、あはぁぁぁぁんっ」

桜色の首筋、綺麗に窪んだ鎖骨、羽黒が喘ぐたび揺れる乳房、充血してぷっくりと盛り上がった乳輪、愛らしく形を変える臍。
それは愛撫というよりも食事だった。
飢えを満たすために一心不乱に獲物を貪る肉食獣のように届く範囲全てに唇で、舌で、提督は羽黒の全身を味わう。
生きたまま食事に供される娘には激痛の代わりに快楽が全身を支配していった。
そして、肉食獣の共演はクライマックスに向かおうとしていた。
連続する細かいオルガスムスで汗みずくの羽黒を提督は布団にそっと横たえる。
自ら着衣を全部脱ぎ去ると放心したかのような羽黒に口づけた。

「羽黒、いくよ……いいかい?」

「は、はい……司令官さん、私で良ければ」


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ぐしょ濡れになった下着を取り去ると露に濡れた叢が現れた。少し大きめの大陰唇と小さくヒクつく小陰唇が淫靡に男を待っているかのようだ。
羽黒の足の間に体を入れた提督は己の切っ先を花弁にあてがった。触れた先端から女の胎内の熱さが伝わる。
そのままゆっくりと肉棒を羽黒に沈めていく。
亀頭が女肉をかき分けずぶずぶと奥に入る。

「くうぅっ、んんんんっ、はぅぅぅぅぅんっ」

固く目をつぶった羽黒は両手で布団を握りしめ衝撃に耐える。肉槍の膨らんだ先端が胎内を擦る感覚に羽黒は喘ぐ。
ゆっくりと挿入された男根を羽黒の可憐な秘孔は全て飲み込んだ。
ずんっと打ち込まれた提督自身が自身の胎内にあると胸の奥がほわっと暖かくなると同時に下半身が疼いてしまう。

「ん、くぅぅぅ、はぁはぁ、し司令官さんで、いっぱい、んん」

提督は羽黒に口づけた。そのまましばらくお互いの唇を啄み合う。
唇を重ねたままゆっくりと提督の腰が律動を開始した。
ぬちゅぬちゅと結合部から淫猥な音を出しながらペニスが羽黒の膣を擦り上げる。
亀頭の裏を擦っていく肉襞の感覚が提督の脳を焼く。
白熱する快感がを追い求めるように提督の腰の動きは加速していく。
びっちりと肉棒を咥えこんだ肉壁を押分けると羽黒の内臓が亀頭に絡みつきその精を搾り取ろうとしているように騒めく。

「ぐっ、は羽黒。すごい、気持ちいいよ、んん」

脳を焼く蜜壺の肉感に支配されて提督はひたすらに羽黒に腰を打ち付ける。
ずりずりと亀頭冠が膣壁を擦り、胎内を掻き分け侵入してくる。その度にゾクゾクとした快感が腰に走る。
特に膣口の裏側辺りをごりっと亀頭が通るときには頭の中が白くなるような快楽が体を貫いた。
膣壁全体で感じる肉棒の熱さと硬さが羽黒の心を満たす。

「ふあっ、あはぁんっ、しれぃかん、さん、来て、もっときてぇ」

手を上げて抱擁をねだる羽黒を抱きしめる。自身の胸板の下で柔らかく潰れる乳房の感覚が欲情を更に高める。
そのまま唇を奪うと舌を吸い上げる。羽黒も積極的に舌を絡め、ごくりとお互いの唾液を嚥下し合う。
息継ぎのため羽黒が口を離した隙に提督はたぷたぷと揺れる乳房にしゃぶりついた。
乱暴に舌でぐりぐりと乳首を舐り、唇で乳房を甘噛みする。
乳肉に刺激が与えられるたび、乳首が弄ばれるたび、愛液で滑る膣壁が男根をきゅっきゅっと締め上げた。

「あはぁっ、気持ちイイです……おっぱいも、おまたも、きもちいぃですっ」

「羽黒、俺も気持ち、イイよ。すごい、熱いっ」

愛液まみれの肉棒がトロトロに溶けた肉壺に入るたびに淫猥な水音がくちゅくちゅと響き、遅れて下腹と恥丘がぶつかり合うパンパンという音が続く。
提督の激しい息遣いと羽黒の恥ずかしげな嬌声と併せて二人の興奮を高めていく。
膣全体がペニスを包むように食い締め、ペニスはいよいよ硬度と体積を増し羽黒の胎内を圧迫する。

「羽黒、限界だ……いくよ」


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「は、はいぃっっ、私も、もう、きちゃうっ」

強烈に腰を動かして羽黒の最奥にペニスを差し入れると提督は引き金を振り絞った。
溜りに溜った精液が陰嚢から尿道口を駆け上がるのがわかる。
膨れ上がった亀頭から爆発するように白濁液が羽黒の子宮に叩き付けられる。
二度、三度と男根が烈しく胴震いを起こしながら熱い精液を羽黒の胎内に流し込んでいく。
放たれた精液の熱さと衝撃と愛する男の子種が胎内に満たされていく感覚を感じて羽黒も絶頂を迎える。
同時に最後の一滴まで精液を搾り取ろうとするかのように子宮と膣が収縮する。

「はあぁぅぅ、熱っ、しれぃかんさっ、イクぅっっっっ」

提督にしがみつきながら全身をガクガクと痙攣させて羽黒は気をやった。
魂まで吸い取られるような膣壁の蠢動に提督も一瞬、失神しかける何とか踏みとどまる。
最後の力を振り絞り羽黒の横にドサッと寝ころぶ。
力を失ったペニスが膣から抜け、愛液とカクテルされた精液がコポコポと女孔から零れ出る。

―羽黒、君が艦娘になってくれて、君に会えて、君を好きになれて……良かった。

横で眠る羽黒の裸身を抱き寄せて頬にキスをする。
そのまま愛しい女の体温を感じながら提督も意識を手放した。

……
………
潮騒と海鳥の声に後押しされて艦娘が目を開けると自分の部屋とは違う天井が見えた。
未だ覚醒しない頭のまま、寝返りをうった彼女の視界に入ったのは提督の寝顔だった。

―ふふ、司令官さんの寝顔、ちょっとかわいい……………へ?

一気に彼女、羽黒の意識は覚醒した。覚醒した途端に昨夜の情事を思い出す。

「あぅっ、昨日、私、司令官さんと……はぐぅぅ」

一気に茹蛸のように赤くなる羽黒。
同時に嬉しさもこみあげてくる。やっと傍にくる事ができた。私の大切な司令官さん。
しかし、同時に不安にもなる。
彼女の司令官さんは「みんなの提督」さんでもあるのだ。妙高型の姉妹を始め、榛名、鳳翔、千歳、雷を筆頭に駆逐艦勢とライバルは多い。

―まあ、海軍士官さんともなればお妾さんの一人や二人いても当然だし。お妾さんに。

とは思うが、一人や二人で済まないのが現状である。以前の彼女だったら諦めていたかもしれない。
しかし、彼女は諦めない自分を取り戻した。
不屈の重巡洋艦羽黒はその最後まで勇戦敢闘した幸運の重巡なのだから。

けれど油断するな羽黒。
提督を好きな艦娘はこのあともどんどん鎮守府にやってくるぞ。
そして、提督がガキの頃から好きだった軍艦の実装もやってくるぞ。
頑張れ羽黒。
指輪をもらえるその日まで。

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最終更新:2014年05月20日 21:26