中年のオヤジ「くっははは、まさかあのクソガキがオレの上官だとはな。」
曙「・・・?」
曙は怪訝そうな顔をした。
この男にあんな小さな男の子の知り合いがいるとは思えなかったからだ。
中年のオヤジ「本家様もやることがえげつねぇな」
曙「本家・・・?」
思わず口から声が漏れた。
男にも聞こえたようで、愉快そうに顔をあくどく歪めて笑う。
中年のオヤジ「クハハッ、・・・・あいつはな、オレの予備だ」
男の瞳に宿る底知れぬ闇に曙はゴクリと唾を飲む。
中年のオヤジ「フン、・・・大方、オレが行方不明なのをいいことに分家のあのガキを当主に据えたんだろうぜ」
もう本家を継げる血筋は残ってねぇからな、と以前の彼を思わせる声音で続いた。
曙「(行方不明?何を言っているの?)」
本家?行方不明?今ここにいるのに何処が行方不明なの?血筋ってどういうこと?
曙には男の言っていることが理解できなかった。
何やら考え出した曙に男が耳元で愉しそうにつぶやく。
中年のオヤジ「ククッ、アイツの両親はな。俺共々、『おまえらに殺された』んだぜ?」
曙「ッー!?」
ガバッと飛び起きるとそこは布団の上だった。
はぁはぁと荒い息を整え必死に今見た夢----昨日のことを思い出す。
曙「私たちが・・・殺した?いつ?・・・・誰を?・・・痛っ・・」
何かが思い出せそうだが、思い出そうとすると激しい頭痛に苛まれる。
曙「(大切な何かを忘れている・・・?)」
その手には思い出せない”誰か”からもらったハズのハンカチが握られていた。
これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
最終更新:2024年01月22日 19:10