龍田×天龍(ふたなり)1-198

「たりめーだろ!俺が一番強いんだからよッ!」
南西諸島の青空の下。海底へと沈みゆく敵艦を見下ろしつつ、勇ましいガッツポーズが天を貫く。
「天龍ちゃんお疲れさま~」
二番艦の龍田が旗艦の天龍へと寄せる。
「おぅよ。とはいえ空母二隻相手とかさすがにキッツイわ…」
レベル上げなら2-1とかでイイじゃねーか、とぶつぶつ言う彼女の装甲は甲板に爆撃を受け、若干の被害を被っていた。
脱げない程度に。
「でも連れてきた駆逐艦ちゃんたちもケガなかったしー、任務は見事に達成ね~」
「おぅ、お前らちゃんと経験値ゲットしたか?!帰んぞ!!」
鎮守府に向け回頭する天龍と龍田に追随し、新米駆逐艦たちは不慣れな長距離航海にふらふらした波線を描きつつ後に続いた。

「天龍ちゃん帰ったらドック入りだねぇ」
「ちぇ、龍田は無傷かよ…。まぁしかたねーなー。戦線離脱はしたくねーけど」
「勇ましいねぇ。天龍ちゃん、男の子に生まれたら良かったのにね~」
「あー、まったく。そうしたら剛勇無比の最強戦艦の誕生だったのにな」
フハハと笑う天龍。
水平線しか見えるもののない、若干退屈な帰投中。何気ない姉妹艦の会話。

怪しい光を帯びた龍田の目を見逃したことは、天龍の一生の不覚であった。
「天龍ちゃん、おはよ~」
「……ん……」
目覚めた視界に飛び込んできたのは、見慣れた工廠の天井。龍田の間の抜けた顔。
帰投後、幸いにも赤城の修理が明けたばかりで空席だったドックに突っ込んで…丸一日。
「…小破だった割には、意外と時間掛かったんだな」
上半身を起こし、豊かな胸を無造作に揺らしつつ伸びをして、自分の身体を見直す。修復上がりは装甲板なし、いわば全裸に武装のみの状態である。
旧式ながら馴染みの主砲、14cm単装砲。
提督にムリを言って換装してもらった、20.3cm連装砲。
そして新装備、股間の15.2cm単装砲。

……?

全裸であぐらをかいたまま、天龍は自分の股間を見直した。
ある。間違いなく。

見に覚えのない股間に。屹立する単装砲が。

「なにか気になることでも~?」
「……コレハ?」
ショックのあまり青ざめたカタコトで、同じく全裸の龍田を見上げる。
やわらかそうな下乳。男なら垂涎もののアングルだ。いやそんなことはどうでもいい。
「うふ。寝てる間にぃ~、ちょっと男の子っぽくできないかな~って。ムリ言って付けてみてもらったのよー」
「あ~なるほど!これこれ!こういうの欲しかったんだよ!早くブッ放してぇなぁ」
笑顔で視線を交わす姉妹艦。
「………なんて言うと思ったか?!揚げるぞこのアホ艦!龍田揚げにすんぞ!!!」
「ぐぇ、クビ絞めないで天龍ちゃん…」
「とっとと外せ!カッコ悪い!」
「それがね~、」
言いにくそうに視線を逸らす龍田。
「ちょっと接合にムリがあったらしくて~、全弾発射してからでないと危なくて外せないんだって~」
「え、ちょ……全弾って、何発?」
「200。フル装填済で~す」
ショックのあまり言葉のない天龍に、龍田が背後からにじり寄る。
「だからぁ~…」
龍田は天竜のハダカの背に豊かな素胸を押し付けつつ、そっと股間に手を伸ばした。
「な、何を?!」
びくん、と全身で反応する天龍を抱きしめつつ、白魚のような龍田の指が無骨な15.2cm砲を撫でさすりはじめる。
「責任とって…最初は、わたしが何発か発射させたげる……」
耳に熱い吐息を絡ませつつ、そう囁いた。
「…いや?」
「………し、…仕方……ねーな…………」
最悪の恥ずかしさ。事態をどうにか好転させたいという理屈。そして。
砲に触れられるたび、身体を震わせる気持良い指の感触。――本能的な、期待感。
「………やさしく、やれよな…」
顔を真っ赤にしつつも小さく呟く自分を、天龍はどこか遠くから眺めているような気がした。
「さて、じゃまずはお口で一発…」
おずおずと正面から近づいた舌に、股間が舐め上げられる。
「…ひっ」
指とは違う、未知の感覚。やわらかい生暖かい感触。
そして親しい姉妹艦にそんなことをさせている背徳感。天龍の砲は、最大仰角で発射準備を整えてゆく。
「……く…」
髪を掻き上げ、砲の先端を口に含んだ龍田のショートヘアを、天龍は呻きながら思わず手で抑えた。
(…天龍ちゃん、かわいい)
龍田は普段は絶対に見せない表情であえぐ天龍の姿に気を良くし、指先、舌、唇、喉まで使って全力で砲を愛撫する。
「…く…っ……龍田……龍田ぁ……もう、オレ……」
「…もううひたい?うってもいひよ~」
喘ぎに答えつつ、咥えたモノは離さず責め続ける。
「………っ!あああああ…あっ…!」
幾度目かの、龍田の舌先が天龍の先端を滑った瞬間。
「…う…あッ…!」
目の前で、夜戦の砲撃のように光が弾ける感覚。…轟音。
座った姿勢のまま竜骨を大きく反らし、豊かな胸を振り乱して、天龍は果てた。

「っく……はぁ、…はぁ…」
一気に吹き出した汗が背を滴る。目が回る。
気持ちいい。死にそうなほど。…これこそ、未知の感覚だ。

「ふふ。気持よかった?天龍ちゃん」
「……」
立ち込める硝煙のニオイ。天龍には返す言葉も余裕もない。
「さぁて。お次は艦内に発射してみようか~?」
「う、うぁ、龍田あぁ………やめッ……撃った、ばかり…感じすぎるから…やぁ……!」
力ない抵抗を無視して押し倒し、龍田の手がぬるぬると容赦なく扱き上げる天龍の15.2cm砲は、即座に次射が装填され発射準備が整ってゆく。
「…ん、…あは…おっきくなった……じゃ、誘導するね~…」
「あああ…熱い…ッ!お前の、…なか…ッ!」
大きく足を開いた姉妹艦が、屹立した自分の砲を、ゆっくりと上から飲み込んでゆく。
ぬるぬると、とろけるような、吸い込まれるような。感じたことのない感覚が、全船体を震わせる。
「あたしの中、気持ちいい?天龍ちゃん?」
「だめ、う、動かないで…あ、やめ、あぁぁっ!ま、また…撃っちまううぅぅ…!」
「いーよぉ、どんどん発射して…熱いの全弾、ちょうだいな…」
腰をゆっくりと上下させつつ、全力運行のボイラーのように赤く熱く、とろんと上気した龍田の顔。漏れ伝わる吐息。柔らかな肌。…甘くやさしい、女の匂い。
「んぁ…!」
ふしだらに固く屹立し、緋く色づいた自分の胸の先端を不意に両方同時に摘まれ、痺れるような快楽にカラダが跳ねる。
「ふしぎぃぃ。キモチイイのがあたしの中にあるのに、目の前で天龍ちゃんのおっぱいが揺れてるなんて~」
「やっ、う、うぁ、あああぁぁっ……龍田、それ気持ちいい、気持ちいいよぉぉ……」
こりこりと絶妙な力加減で摘まれる両の船首から伝わるぴりぴりした快楽が、感じる自分を見下ろしている龍田の視線が、腰の奥をじんじんと熱くする。
目の前の龍田と同じように女の顔、女の声で鳴く自分がとてつもなく恥ずかしい。たまらず両手で覆った真っ赤な顔、ぎゅっと閉じた瞳に、思わず涙がにじむ。
潤滑油を溢れさせながら、自分の股間のモノを根本まで飲み込んで。自身も豊かな双丘をふるふると揺らしつつ、じゅぷじゅぷと淫らにくねる龍田の細い腰。
もう――耐えられそうにない。
「龍田…悪ぃ…先に…イ…クぜッ…!」
絶え間なく三点から与えられる快楽は、やがて喫水線を越え――
「~~~~!!」
姉妹艦と接続したまま、天龍は轟音を発し、艦体全てを震わせながら、三番大砲を幾度も発射した。
「あらぁ?まだ10発位しか撃ってないけど~」
「も…もうムリですスミマセン…」
うつ伏せになって滝のように汗を流しつつ肩で荒い息をする天龍は、連続発射に股間の砲が燃えるような感覚を味わっていた。
対して龍田は肌こそ汗ばんではいるが、まだまだ余裕の表情である。
「お…お前、巧すぎないか…?」
「そうかしら~?艦隊の中では普通のほうだと思うけど~」
「…みんなそんなにベテランなのかよ…」
「演習の次の日とか、キラキラしてる子いるでしょう~?」
無言で頷く天龍。
「あれって提督にご褒美いっぱい貰ったからなのよ~?ベッドで」
「あのキラキラってそういう意味だったのか?!」
それは提督絶倫すぎね!?
「と…とにかく、お前相手じゃもうカラダ持たねぇ…今日は終了で…」
「あらぁ~。じゃ残りの190発は~?」
「じ…自分でなんとか…処理、しても、良いし…」
顔を赤らめて言う天龍を、龍田はニヤニヤととても楽しそうに眺める。
「爆発物処理、頑張ってねぇ~。協力して欲しかったらいつでも言って頂戴な~」
「…ッ!そもそも誰のせいだ誰のッ!!」
ひらひらと手を振って去る龍田に、手近なドラムカンを投げつける。

くそ!恥ずい!超恥ずい!しかも邪魔ッ!なんだこの砲ッッ!!


訂正する。
…男になんか、死んでもなりたくねぇッ!!


(おしまい)

最終更新:2014年06月11日 21:47